『ゴジラ-1.0』で第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した山崎貴監督。妻は『陰陽師0』の公開(4月19日)を控える佐藤嗣麻子監督だ。夫婦として、ともにVFXを駆使する映画の第一人者として、授賞式当日に夫・山崎監督の受賞についての思いを聞いた。
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「受賞の瞬間は寝ていたので、リアルタイムでは見ていないんです」
──山崎貴監督の米アカデミー賞受賞、おめでとうございます。日本映画ではもちろん、アジア映画としても初の快挙ですね。
佐藤 ありがとうございます。本人はめちゃくちゃ喜んでいるはずです。
今回、監督として視覚効果賞を受賞したのは、『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック以来55年ぶり、史上2人目ということなので、それもすごく誇りに思っているようです。
彼はもともとVFXの監督だったので、VFX技術が認められての受賞というのは、本当に念願だったと思います。
受賞の知らせを聞いて、飼っている保護猫の写真と一緒に「おめでとう! 大きいお母さんが(オスカーを)とったね」というメッセージを送ったら、「やったー!」と喜びの返信が送られて来ました。猫は「お母さん」しか認識しないらしいので、夫が「大きいお母さん」で、私が「小さいお母さん」とウチでは呼んでいます。
──受賞の瞬間はどのようなお気持ちでご覧になっていたのですか?
佐藤 それが、受賞の瞬間は寝ていたので、リアルタイムでは見ていないんです。プロデューサーから「見てたと思うけど、とったよ」と連絡が来たのですが、見ていませんでした……(笑)。
でも私はノミネートされる前から「今回(オスカーを)とるから大丈夫、安心して」と宣言していたので、「とったよ」と言われても「ああ、そうか、よかった」くらいの感覚でした。