新作『陰陽師0』と『ゴジラ-1.0』
──いまは監督同士として、お互いの作品への感想や意見交換などもされるのですか?
佐藤 『ゴジラ-1.0』がオスカーをとるという予想は、内容の話ではないので伝えましたが、普段は家で作品の話はしません。
だから夫が『陰陽師0』の試写を見たときも「感想は絶対言わないでね」と念押ししていたのに、見終わった後に「言っていい?」と言われたので、「いやなこと、言わないでよ」と言ったら、ひと言「面白かった」と。
──オスカー受賞監督が面白いと認める映画『陰陽師0』。『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』に続く作品として期待が高まります。
佐藤 昔から忍者映画や侍映画は需要がありましたが、コンテンツ不足が叫ばれるハリウッドでは、いま日本人的な時代劇要素が入った作品が、新しいコンテンツとして注目が高まっているように感じます。
さらに『陰陽師0』は、『ゴジラ-1.0』でオスカーをとったVFX会社の受賞後初の作品となるので、そこもご注目いただければと思います。
実は、タイトルの「0(ゼロ)」には、実は『ゴジラ』の「-1.0(マイナスワン)」より上、という意味があるのです(笑)。冗談ですけど。
『陰陽師0』は、10作くらい作りたいなと夢見ていますが、『ゴジラ-1.0』に勝つために、タイトルは0.1刻みで進めていこうと思っています。だから次作は『陰陽師0.1』で、それが0.9まで続く予定(笑)。そんなシリーズのはじまりとなる作品を、ぜひ劇場に見に来ていただけたらうれしいです。クレジットの「白組」にもぜひご注目ください。
さとう しまこ 1964年岩手県生まれ。ロンドン・インターナショナル・フィルム・スクールで映画製作を学ぶ。これまでの監督作品に『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』(95)、『K-20 怪人二十面相・伝』(08)、『アンフェア the answer』(11)など。また、映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(10)、ドラマ『ハイエナ』(23)などの脚本も手掛ける。監督・脚本を務めた最新作『陰陽師0』は4月19日公開。