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千葉でも東京でも埼玉でも茨城でもない…常磐線&新京成線“ナゾの千葉第3の町の駅”「松戸」には何がある?

2024/03/18

genre : ライフ, , 社会, 歴史

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 松戸ビルヂングは、もともと小学校があったところを移転させての再開発。店舗棟と事務棟の2棟からなり、店舗棟には伊勢丹が、事務棟の上部にはホテルニューオータニの回転展望レストランが入って、1974年にオープンした。文字通り、松戸の新しいシンボルであった。ちなみに、前年の1973年には柏駅前にそごうがオープン、その最上階にも回転展望レストランが設けられている。

駅前からのびる「伊勢丹通り」の現在地

 駅前から伊勢丹までの道筋は「伊勢丹通り」と名付けられ、新しい松戸の賑わいの中心になった。しかし、時代の流れは地方の百貨店には厳しく、2018年に伊勢丹は閉店する。

 
 

 ただ、それでもいまでも伊勢丹、キテミテマツドと駅を結ぶ道筋が松戸の繁華街の中心であることは変わらない。道沿いにはバーミヤンやサイゼリヤ、そしてドトールコーヒーにコメダ珈琲と、飲食店が建ち並ぶ。その中を歩いて松戸駅に戻ったが、たくさんの人が歩いていた。旧水戸街道、つまり江戸時代からの松戸の中心と、駅という近代以降の町の中心の間に挟まれた戦後松戸のメインストリート、といったところだろうか。

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 そして、再び駅に戻る。松戸駅西口は、東口と比べても実に広々としたペデストリアンデッキが広がっている。今後は東口のペデストリアンデッキと連結した人工地盤が線路を跨ぐ形で整備される予定だという。また、2027年には松戸駅にも新しいJRの駅ビルができることも予定されている。

 
 

 東京から江戸川を渡ってすぐの町、松戸。そこには、東京的な駅前風景と大きなマンションも建ち並ぶベッドタウン、また地方都市らしい生き残りをかけた歴史、そして旧宿場町らしいのどかさと賑やかさといった、あらゆるものが凝縮されていた。松戸は、千葉・東京・埼玉・茨城という4都県がせめぎ合う境界の町だ。それがゆえ、これら4都県の雰囲気すべてを兼ね備えた、独特な雰囲気が醸成されたのかもしれない。

写真=鼠入昌史

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