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藤本渚五段、95年度の羽生善治九段の記録は…

 同じく今年度の藤本、47勝9敗の内訳は……。

 第36期竜王戦6組 2勝1敗

 第37期竜王戦6組 2勝0敗

 第82期順位戦C級2組 9勝1敗

 第65期王位戦 6勝1敗(菅井竜也に1勝、佐藤天彦に1勝)

 第9期叡王戦 4勝1敗

 第72期王座戦 4勝0敗

 第50期棋王戦 1勝0敗

 第74期王将戦 1勝0敗

 第95期棋聖戦 3勝1敗

 第17回朝日杯 2勝1敗

 第32期銀河戦 3勝1敗

 第54期新人王戦 4勝2敗(決勝三番勝負は上野裕寿に1勝2敗)

 第13期加古川青流戦 6勝0敗(決勝三番勝負は吉池隆真に2勝0敗)

順位戦ではC級1組への昇級を果たした藤本渚五段 ©相崎修司

 95年度の羽生、46勝9敗の内訳は

 第8期竜王戦 4勝2敗(タイトル戦七番勝負は佐藤康光に4勝2敗)

 第53期名人戦 4勝1敗(タイトル戦七番勝負は森下卓に4勝1敗)

 第36期王位戦 4勝2敗(タイトル戦七番勝負は郷田真隆に4勝2敗)

 第43期王座戦 3勝0敗(タイトル戦五番勝負は森雞二に3勝0敗)

 第21期棋王戦 3勝0敗(タイトル戦五番勝負は高橋道雄に3勝0敗)

 第45期王将戦 9勝1敗(タイトル戦七番勝負は谷川浩司に4勝0敗)

 第66期棋聖戦 3勝0敗(タイトル戦五番勝負は三浦弘行に3勝0敗)

 第45回NHK杯 5勝0敗

 第16回将棋日本シリーズ 0勝1敗

 第14回全日本プロ将棋トーナメント 4勝1敗

 第29回早指し選手権 5勝0敗

 第16回オールスター勝ち抜き戦 1勝1敗

 第26期新人王戦記念対局 1勝0敗

 となっている。

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今年度は将棋連盟会長就任も話題になった羽生善治九段 ©文藝春秋

 藤本は23年度内にまだ数局指すが、すべて勝っても中原の勝率は超えない。

 それぞれ番勝負の対戦相手に加えて、中原と藤本はその時の現役A級棋士と戦った結果を含めている。立ち位置的にも、羽生と今期の藤井、中原と今期の藤本がそれぞれ似た状況にあるといえよう。

羽生と藤井の共通点「年度をまたいでの棋戦を指していない」

 羽生と藤井に関しては、7つ及び8つの全タイトル戦番勝負を勝率8割強で乗り切り、かつ一般棋戦でもほとんど取りこぼしがない。「とてつもなく強い」という以外に表現できない。そして、この両者に共通することは、年度をまたいでの棋戦を指していないということである。ほぼすべてのタイトルを持っているのだから当たり前なのだが、こと年度勝率に関しては、この違いが大きい。

 例えば、67年度の中原は王座戦が2期分記録されているが、第15期の王座戦であと1局早く負けていれば、この敗戦は67年度には記録されなかった。そうなると年度勝率は47勝7敗の0.870となっていた。逆に66年度の第8期王位戦で勝ち上がり、リーグ入りを果たしていたらリーグでの4局が67年の成績に加わっていたことが予想されるので、これも星取りによっては勝率が下がる。