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「なんでこんな顔で産んだんだ」と親を責め、ストレスから過食へ

――それで二重整形を?

加藤 そうですね。中学1年生の時はずっとそういう感じでいじられていたので、どんどん自信をなくして。ストレスから過食気味になって、太ってしまったり、ニキビだらけになったりして、鏡の前で毎日泣いて、親の遺伝子を恨むようになりました。

 それで親に「整形がしたい」「なんでこんな顔で産んだんだ」って言って責めてしまって。母は「ゆきは可愛いんだよ。でもみんなにそれだけ言われてそんなに辛いんだったら整形しようか」って言われて。父には内緒で整形をしました。

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写真=平松市聖/文藝春秋

――整形手術は痛くなかったですか。

加藤 まだ中学生だったので、切開ではなく、埋没整形を選んだんですけど、中学生向けの病院を選んだので、すごくよく対応してくれましたね。痛みもそんなに感じなかったです。私はこれで美少女になれるんだって、楽しみの方が大きかったですね。

学校に行く頃にはほとんど元通りに…

――加藤さんの思い描いていた二重になれたのでしょうか。

加藤 それが大失敗してしまって。ダウンタイム中は綺麗な二重だったんですが、すぐに取れてしまいました。春休み中に整形したんですが、学校に行く頃にはほとんど元通りになっていたので、周りの友達にも気づかれなかったです。

写真=平松市聖/文藝春秋

――失敗の原因は何だったのでしょうか。

加藤 私の瞼が厚すぎたのと、まだ成長過程だったこともあってうまくくっつかなかったんだと思います。あとは病院との相性もあるのかもしれないです。それでやり直したいと思って、1年後の春休みにまた手術を受けました。それでもまた失敗してしまって。

――また同じ病院でやったのでしょうか。

加藤 同じ病院でやりました。当時中学生向けの美容整形外科が少なかったのと、やり直しなら通常20万円くらいのところ、3万円でできるということだったので。

――2回目の整形も失敗だったとのことですが、どんな心境でしたか。

加藤 せっかく手術を受けても二重にならないのか……とショックでしたね。クラスメイトの男子には「整形してもオワコンだな」って揶揄われたり。

 ただ、高校受験で念願だった早稲田本庄に受かることができて、自分の自信に繋がったんです。だから前よりは精神的に安定していたと思います。

 それでも二重への憧れはなくならず、高校1年生の時にまた同じ病院でやりました。三度目の正直ですね。病院を変えたらよかったんですけど、3万円でできるということで、また同じ病院を選んで。