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 逆に『哀れなるものたち』の4部門受賞は、最大限獲った印象で、『バービー』よりも、ヨルゴス・ランティモス監督の作品を評価したアカデミーに、一層国際色の強まりを感じました。その影響は、本来10部門ぐらい獲ってもおかしくなかった『オッペンハイマー』が、最低限の7部門で終わったことにも表れていると思います。

予想したものの実は意外だった『ゴジラ-1.0』の受賞

『ゴジラ-1.0』の受賞は、私もそう予想しましたけど、実は驚きました(笑)。『ザ・クリエイター/創造者』の方が、オスカーで評価されるタイプの特撮と思っていたので。

山崎貴監督が視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』。監督としての同賞受賞は『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック以来55年ぶり、史上2人目の快挙となった ©2023 TOHO CO., LTD.

『ゴジラ-1.0』は、アメリカで公開された日本映画(実写)で最大のヒット作となって勢いがありました。それと直前に見た記事では、「山崎貴監督がVFXのスーパーバイザーも務めているから、受賞したら壇上に監督が上がることになる」ということが注目点として挙がっていました。ハリウッドの作品で、監督自身がVFXをやるなんてほぼありませんから、それも後押しになったのかもしれません。

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 そういう細かい勢いや後押しが重なって、受賞結果に繋がるのもアカデミー賞の面白さだと思います。