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「最後に背中を見せられて良かった」

――東京ドームで印象に残るシーンはありますか?

ANDO ライブのラストで「BiSH-星が瞬く夜に-」を歌った時は楽しかったです。自由に踊って自由にステージを動いてよかったので、メンバーみんなに触れあいに行こうと思ってました。ステージで会えるのも最後だったから。

 普段、ハシヤスメとは立ち位置が反対側になることが多くて、なかなかライブでも近くに行けなくて。だからやっとハシヤスメに会えた、2人で行こう!って思ったらハシヤスメがみんなを集めはじめて。それで6人で肩を組んで花道からメインステージへ駆け上がって行ったんです。

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©深野未季/文藝春秋

――8年間の6人の歩みを象徴するような後ろ姿でした。

ANDO 最後に背中を見せられて良かったです。

 あと、曲の間に6人が並んで何回もヘッドバンギングをやりましたよね。私、リハーサルのときに「100回くらいやってもいいんじゃない?」って言ったんですけど、みんなから「それはやめよう」と反対されました(笑)。

自分の支えになって、ずっとあり続けてくれる「BiSHの紋章」

――解散ライブを追ったドキュメンタリー映像で、公演を終えた6人がひとりずつ心境を語る場面があります。ANDOさんはそこで《メンバーとはずっと繋がってる感じがするんです。心の手を繋いでいるような》《BiSHとしての紋章が全員の心の中にずっとある自信がある》とお話しされています。「BiSHの紋章」とはどのようなものですか?

ANDO なんか……心臓が1個増えてる、みたいな感じです。それが体の中で自分に対してのすべての支えになっているというか……。記憶としても、心の面でも支えになっていて、なんかすごい、ずっとあるものっていう感じがするんです。

 野外フェスや撮影のときにずっと降っていた雨がBiSHの出番になったら急に止んだり、東京ドームの解散ライブでは公演が終わった直後にものすごい大雨が降ったり。なんか、自分たちで地球が回ってる、じゃないですけど、そんな気持ちになれた。そういうことが不思議と自信になっていきました。

©深野未季/文藝春秋

――その解散から、節目節目で時間の流れを感じますか?

ANDO 6月29日が来れば、1年経ってしまったと感じると思います。自分の中で何が変わったんだろう、人として変われてるかなって焦りもあります。解散というわかりやすい日があって、その数字に追い詰められたり。じゃあそこから1年先の自分は何をやっているんだろう、ちゃんと生きてるかな、と思ったりもします。