2023年6月29日、東京ドームのラストライブをもって解散した6人組ガールズグループBiSH。

 グループの中で“無口”を担当してきたリンリンさんはその翌日よりMISATO ANDOと名前を変えて、現在はアートを中心に活躍をしている。

 同じBiSHのメンバーだったモモコグミカンパニーさんが「解散宣告」からラストライブまでの3年半を記録した『解散ノート』をANDOさんはどう読んだのか。MISATO ANDOさんのインタビューを2回に分けてお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)

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©鈴木七絵/文藝春秋

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「ぬくもりとか手はほんとに大事だなって」

――東京ドームの解散ライブの日のことも聞かせてください。ANDOさんはMCの時間に「今日で、BiSHとも、BiSHのリンリンとも、清掃員ともお別れなので、最後に右手を挙げてみなさん私と握手をしましょう」とおっしゃいましたね。

MISATO ANDOさん(以下、ANDO) 事前に話す内容を考えても、ステージの上では絶対に言いたいことが変わるだろうと思っていて。でも「握手」のことは前から浮かんでいました。

 手を繋ぐって、なんか安心しますよね。……関係ないかもしれないですけど、中学、高校生の頃も、ずっと仲のいい子の手を持ったり、持ってもらったりして廊下を歩いたり。

――手を“持つ”?

ANDO そうなんです。こう、手を持ってもらったり持ったりすると安心して。「オーケストラ」の“落ちサビ”でアイナ・ジ・エンドが……。

©深野未季/文藝春秋

――アイナさんの右腕をANDOさんが抱きしめる振付がありますね。

ANDO そうなんです。私が東京に住むようになって、地元に住むおばあちゃんとお別れするときも、いつも帰り際にハグとか握手をするんです。その人を確かめるように、ギュッと。なんか触れ合うことはすごい大事だなと思って。言葉をかけなくても背中をさすってあげるだけでも誰かが安心できるかもしれないし。なんか、ぬくもりとか手はほんとに大事だなって思います。