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「「幼稚園児の親から『金髪にしてほしい』と…」現役美容師が明かす、「ヘアカラーは何歳からが妥当なのか」問題

美容師目線のヘアカラー#1

2024/03/30
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 最近、ブリーチしたり、髪を染めている幼稚園児や小学生を見かけたことはありませんか? 美容室でも、以前よりお子さんのヘアカラーのオーダーは増えています。

 お子さんのヘアカラー等は、昔から「将来ハゲるんじゃないか」「発育に悪影響を及ぼすかも」といった懸念がありました。こういった考えから、そんな子どもの“そばにいる親”を訝しげに見てしまう人もいるかと思います。

 そもそも、ヘアカラーは頭皮や髪質にも影響がある、との意見があります。実際にどんな影響があるのか、そしてヘアカラーをするには何歳からが妥当なのか、美容師目線で解説します。

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©AFLO

妊娠中のヘアカラーは良くない?

 結論、「お子さまがヘアカラーをすること」に問題はありません。「ハゲる原因になる」「発育に悪影響」といった意見は、風説に過ぎません。

 そもそも、ヘアカラーにまつわる薬剤は、薬機法で「医薬部外品」に分類されています。仮にリスクのある成分が含まれている場合は「医薬品」に分類されることから、医師や薬剤師が介入しないと美容師は取り扱えない、といった形になります。

 このことから、「妊娠中にヘアカラーをするのは良くない」という意見も同様です。「頭皮から悪い成分が伝わるから」という考えも根強くありますが、現代では妊娠中のヘアカラー等も問題ないとされています。

子どものヘアカラーを美容室が断ることはある?

 そのため、基本的にはどこの美容室でも「お子さまにカラーしたい」というご希望をお断りすることはないです。

 ですが、頭皮に負担がかかることは否めません。そのため美容室では、必ず親御さんにご理解いただいた上で施術しています。カラーのスタイルによっては、薬剤を頭皮に付着させないことも可能なため、そのような提案をすることもあります。

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カラーで注意する点は、アレルギー反応

 特にヘアカラーにおいては、美容師にも慎重な判断が必要になります。その理由は、アレルギー反応を起こす成分が含まれていることです。

 アレルギーには、過敏に反応する方が少なからずいます。過度に反応を起こすと、皮膚がただれたり、顔や全身にまで炎症や腫れが出ることもあります。そしていつ発症するかわからない、というリスクもあります。

 こちらでも以前に解説させていただきましたが、ヘアカラーの薬剤は、アレルギーを起こす成分がなくては髪が染まらないほど重要な成分です。そのため2024年現在も、既存の薬で代替できるものは存在しません。