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上半身裸・ドバドバの色気で人気を博した“名コンビ”

 反町さんが演じたのは、かつてはオリンピック出場を期待された水泳選手だったものの、その後はちゃらんぽらんな“ヒモ”になって恋人に捨てられてしまった男。実は繊細な一面も持っていますが、表向きは楽天家のお調子者です。

©文藝春秋

「田舎町の人気(ひとけ)の少ない穴場ビーチ」という限られた時間と切り取られた空間を舞台にしており、時間がゆっくりと流れる雰囲気の中で、この非日常が描かれていきます。無性に掻き立てられるセンチメンタリズムも、ヒットの要因になっていたのです。

 しかし、やはり最大の魅力は、20代半ばとは思えないほどドバドバ溢れていた23歳の反町さんと26歳の竹野内さんの男の色気に尽きるでしょう。反町さんの役はたびたび上半身裸になって、鍛え抜かれた褐色の筋肉質ボディを惜しげもなく披露。屈託ない少年のような笑顔で髪をかき上げ、視聴者を魅了していったのです。

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竹野内豊

1998年の『GTO』が社会現象を巻き起こす

『ビーチボーイズ』人気を追い風に、翌年の1998年、反町さんが24歳時に放送されたのが『GTO』でした。

『GTO』とは「グレイト・ティーチャー・オニヅカ」の略。型破りな教師が自己流で生徒と向き合っていくという学園ドラマの王道フォーマットを踏襲しつつも、当時の社会を反映したような生徒や教師たちが抱える問題に対し、主人公・鬼塚がぶっ飛んだ行動で解決していく様が爽快でした。

反町隆史

 たとえば第1話。教師採用前に面接に訪れていた鬼塚は、生徒をクズ呼ばわりする教頭にブチ切れて、問答無用でローリングソバットを喰らわします。採用後も、受け持った生徒の両親の不仲を憂えた鬼塚は、生徒の自宅の壁をハンマーでぶっ壊してしまうのです。

 令和のコンプラを参照するまでもなく、平成当時の価値観でもリアルでやっていたら当然アウト。ですが、フィクションのエンタメ作品における主人公の行動としては、絶妙なキレ具合として視聴者の目に映り、大ウケしました。