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 東京~福井、東京~敦賀は直行列車が復活する。しかし大阪・米原・名古屋と福井・金沢を結ぶ在来線の直通特急は廃止され、敦賀駅で北陸新幹線に乗り換えが必要になる。私が試乗会で試したときは、北陸新幹線の座席を立ち上がり、車内からプラットホームに出て、エスカレーターを2つ降りて在来線のプラットホームまで4分59秒だった。

今庄駅は官営鉄道北陸線の福井~敦賀間開業時に設置された。北陸トンネル開通までは峠の難所であり、この駅で蒸気機関車の補給や増結が行われた
今庄駅に隣接する「今庄まちなみ情報館」。1960(昭和35)年当時の駅構内を再現したジオラマがある。

 JR西日本は大阪方面の特急列車と北陸新幹線の乗り継ぎ時間にゆとりを持たせているため、大阪~福井・金沢間の所要時間は変わらず、運賃+料金が値上げとなってしまう。北陸新幹線の敦賀~新大阪延伸開業までの辛抱だけど、この辛抱がいつ終わるかわからない。

北陸新幹線で福井駅に到着、6号車の着席姿勢から降車して在来線プラットホームまで4分59秒45だった。JR西日本の乗り換え案内時間は8分。よほど混んでいない限り間に合いそうだ。

戦前の遺構を生かした「敦賀赤レンガ」が見どころ

 しかし、敦賀は乗り継ぐだけではもったいないところだ。前出の通り、かつて敦賀は欧亜国際連絡列車の終着駅だった。その遺構を生かした観光地が作られている。とくに見てほしい場所は「敦賀赤レンガ」だ。敦賀駅からコミュニティバスで10分ほどの場所。敦賀港に面した場所だ。欧亜連絡拠点時代に石油貯蔵庫として建てられた赤レンガ倉庫を観光施設とした。

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 2棟の倉庫のうち、1棟がまるごと鉄道模型のジオラマ館になっている。幅は27m、奥行きは約7.5mだ。北陸新幹線の電車を並列に2台置ける広さだ。ひと目見て視界に入らないくらい広い。線路はHOゲージ規格(1/80)で、各地の鉄道博物館で使われているサイズだ。

敦賀赤レンガ。左が鉄道模型ジオラマ館、右がレストランとショップ。赤レンガの隣の気動車がキハ28形。
運転席の曲面ガラス「パノラミックウインドウ」と連結器付近のスカート「排障器」が特徴だ。
欧亜連絡時代の敦賀駅周辺を再現した「ノスタルジオラマ」をご覧あれ
ウラジオストク行きの船が出るところ
北陸本線の列車から切り離されて、敦賀港線に入った欧亜連絡列車

 ジオラマのテーマは欧亜国際連絡列車が走った頃の敦賀市と敦賀港がテーマになっている。題して「ノスタルジオラマ」だ。手前に敦賀駅、奥に敦賀港と金ケ崎駅を配置して、金ケ崎駅に列車が到着するとウラジオストク行きの船が出発する。海の向こうにウラジオストクの街が見える。ひとまわり小さな建物を使っているから、遠近法で遠くにあるように見える。そんな仕掛けを探すのも楽しい。

 鉄道博物館のジオラマは車両をたくさん紹介するために線路だらけにしがちだけれど、ノスタルジオラマは実際の風景をモチーフにしているため、ゆったりとした線路配置になっている。登場する列車も蒸気機関車列車やディーゼル特急など懐かしい。街ではお祭りが再現されるなど、鉄道ファンだけではなく、ミニチュア好きな人々も楽しめる。