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 福井駅直前でえちぜん鉄道の線路が並ぶ。合流地点から福井駅まで、じつはえちぜん鉄道の電車がこちらの線路を走っていた。えちぜん鉄道福井駅の高架化工事の時に、仮設線路と仮設プラットホームが北陸新幹線の高架に設置されていた。えちぜん鉄道の新しい駅は落ち着いた朱色で真四角。沿線の名刹「永平寺」の傘松閣(さんしょうかく)をイメージしたという。

 北陸新幹線の福井駅はプラットホーム1面の両側に上下線の線路がある。全国の新幹線の中でもっともプラットホームの数が少ない駅となった。寂しいけれど、県庁所在地駅のためすべての列車が停まり、なおかつダイヤ上追い越しもないから、これで十分というわけだ。

 プラットホームの屋根にトップライトを設け、天井のルーバーと床の木調タイルを組み合わせたくつろぎの空間になった。もうひとつ、6号車付近の窓の外に注目だ。ちいさな恐竜の像があり、カニを咥えた姿がユーモラスだ。

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福井は恐竜王国
赤い建物はえちぜん鉄道の福井駅。2つの路線が発着する。勝山永平寺線の終点からバスで福井県立恐竜博物館に行ける。三国芦原線に乗ると終点は三国港。東尋坊へバスが出ている
車窓から見えたカニを咥えた恐竜。名物を1体の像で表すアイデアがおもしろい

 福井駅から先は長いトンネルが増える。ここまでもトンネルはあったけれども、全長5463mの加賀トンネルのほかは短いトンネルが多かった。ここからは1000m未満のトンネルのほかに、3520mの第2福井トンネル、1515mの第2鯖江トンネル、2460mの武生トンネルという長いトンネルがある。とくに約20kmという横綱級の新北陸トンネルがある。日本の鉄道トンネルとしては6番目の長さだ。

 見どころの多い車窓の左手(E席)に比べると、右手(A席)の景色は特色が少ない。海のそばを走るように見えるけど、意外にも見えない。田園地帯と住宅地が広がっていて、敦賀駅の直前にすこしだけ海が見える。新幹線から日本海が見える区間はここと糸魚川駅付近だけだ。海が好きな人はA席がオススメだ。

越前たけふ駅。待合室は地域の伝統文化、格子と白壁をデザインした

東京と敦賀の直通列車は56年ぶりの復活

 敦賀は東京と縁遠い印象がある人もいるかもしれない。しかし実は、東京~敦賀間の直通列車の歴史は古い。そもそも敦賀は、「東海道線の終点」だった時期がある。東海道線は1883年に関ヶ原~長浜間が開業し、長浜駅~敦賀港駅(当時は金ケ崎駅)間は1884年に開通した。当時の大阪方面は長浜から琵琶湖の連絡船で大津に至り、そこからまた鉄道で神戸へというルートだった。

 つまり、政府は新橋~神戸間より先に新橋~敦賀港間を鉄道で結び、この区間を東海道線と呼んだのだ。

敦賀駅新幹線プラットホームは船をイメージしたデザイン。待合室はキャビン、床は甲板
敦賀駅乗り換えコンコース。これは試乗会の様子。開業前に床の案内用ライン塗装が施された
在来線特急用プラットホームは2面。31・32番のりばは降車専用。33・34番が乗車用で、京都・大阪方面の特急サンダーバードと米原・名古屋方面の特急しらさぎが発車する

 歴史を振り返ると、長浜から米原、琵琶湖南岸に鉄道が開通したのは1889年だ。