3月20日、ドジャースの大谷翔平選手(29)の元通訳・水原一平氏(39)が違法賭博に関与した疑いで解雇された問題は、アメリカではどのように報じられ、なぜこれほど注目を集めることになったのか。そして日本時間26日に予定される大谷選手の記者会見では何が語られるのか…。ロサンゼルス在住のジャーナリストが全米を揺るがす騒動の実態を追った。(全2回の後編/前編を読む

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「話が変わったことは衝撃的な展開だ。隠蔽は犯罪よりも悪質だ」

 テレビ番組「CBSモーニングス」では、元連邦検察官のジョシュア・ナフタリス氏が「オオタニは連邦犯罪であるマネーロンダリングに巻き込まれる可能性がある。オオタニは最初は借金について知っていると報じられたが、その後、話が変わったことは衝撃的な展開だ。多くの場合、隠蔽は犯罪よりも悪質だ」と述べている。

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©時事通信

 つまり、水原氏の作った450万ドルの借金を払うために、大谷選手が電信送金を承認したことが明らかになれば、マネーロンダリングの範疇に入る可能性があるというのだ。

 また、ナフタリス氏はこうも続けている。

「450万ドルという金額は、通訳にとっては高額だ。しかし、この金額は、プロのアスリートにとっては失っても許容できる金額だ。だから、彼は通訳を表の顔として使っていたのではないか? という疑問が生じる」

 FOXスポーツの司会者、クレイグ・カートン氏は、オオタニ陣営が話を変えたことを問題視している。ちなみに、同氏は、賭博の借金を返済するために、チケット詐欺をして逮捕され、懲役3年半と賠償金460万ドルの判決を言い渡された過去がある。

「オオタニ陣営は当初の話を変えるという大変な計算ミスを犯した。賭博の問題を抱えた友人をオオタニが助けるということは、とても信じられる話だ。しかし、彼らは話を変え、お金が盗まれたと主張することで、パンドラの箱を開けてしまった。

 今は、通訳の言うことを信じる必要が出てきている。今や、オオタニの友人が犯罪捜査の焦点になっている。今回の容疑は、詐欺、窃盗、横領だ。多くの人が調査を始めれば、もっと多くのことが明らかになるだろう。煙が立つばかりで火は出ないかもしれないものの、彼らが通訳を利用して、話を180度変えたことは少なくとも懸念を生む」