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「家の電気が止まり、ロウソクで生活していた」3歳で母と死別、“中1から一人暮らし”のギャル男芸人(32)が明かす、子ども時代の苦労

すがちゃん最高No.1さんインタビュー #2

2024/04/14

genre : エンタメ, 芸能

note

中1で一人暮らしになって「俺、かっけえ」と思った理由

――叔母さんが家を出て東京に行き、おじいさんやおばあさんも家からいなくなって、中学1年生のときに一人暮らしになったそうですが、当時はどういう心境でしたか。

すがちゃん 急に1人になったというより、気づいたらいつの間にか1人だったんですよね。だからなんだろう、全部他人事みたいな感じだったんですよ。あ、でも「今、俺かっけえんじゃないか」とは思っていました。

 

――それはどういう感情なんでしょう。

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すがちゃん 漫画の主人公って、だいたい1人じゃないですか。ルフィも悟空も桜木花道も、みんな。だから「やれやれ、一緒かい」みたいな。「俺、主人公みたいで今かっけえな」って。

――「寂しい」「辛い」といった感情はありましたか。

すがちゃん 人並みにはあったんでしょうけど、やっぱりかっこよかったんですよね、その時間がね。

「俺、殺されてたかもしれない」トラウマになった出来事

――当時、すがちゃんさんの心の支えになっていたものは何かありましたか。

すがちゃん 漫画とお笑い、あとはゲームです。めちゃくちゃ救われてました。

 一人暮らしが始まってから一度、夜中に泥棒が家に入ったことがあったんですよ。当時、僕が2階にある部屋で眠れずに時間を過ごしていたら、足音がして、明らかに家に知らない人が入ってくるのが分かって。相手に気付かれないようにそーっと階段からリビングに降りようとしたら、その瞬間に僕の携帯電話が鳴ったんです。

 

――どうなったんですか。

すがちゃん 相手も驚いたのか「ガチャンッ」と何かを落としてそのまま走り去って行ったんです。それでリビングに行ってみたら、カマが落ちていたんですよ。

「俺、殺されてたかもしれないのかよ」と思うと腰が抜けちゃって。後日、警察が犯人を逮捕してくれたらしいんですけど、その出来事がトラウマになっちゃって、夜になるとしばらく家の階段が怖くて。だからそういうときはダッシュで階段を上がって自分の部屋に行って、ついた瞬間に漫画をバッと開いて読む、みたいなことをしてましたね。

――当時、食事はどのようにしていたのですか。

すがちゃん 自炊してました。ご飯を炊いて、お味噌汁を作って、家の近くにあった中華屋さんで昔よく食べていたナス味噌炒めを真似て作ってみたり。