8年間務めたテレビ東京を離れ、SCOグループに転職をした福田典子(33)。フリーアナウンサーとしても活動を続ける彼女に、転職を決めた理由、そして局アナ時代の思い出を尋ねた。(全2回の前編/後編を読む)

 

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転職を決意した一番の理由

――新卒で入社したRKB毎日放送を2016年6月に退職し、8月にテレビ東京に転職。その後、2024年3月にテレビ東京を退職して4月から歯科業界に特化したメディカルテック企業のSCOグループに転職されました。まず、今回転職された理由をお聞かせ頂けますか?

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福田 2021年に子どもが生まれましたが、限られた時間の中でどういう風に仕事と子育てと自分の時間を持つか悩んでいたんです。それに元々スポーツに関わる仕事がしたかったのと、いずれ健康についても携われたらいいなぁと思っていたら、SCOから転職のお話を頂いて、あれ? 自分の理想に近いんじゃない? って。元々テレビ東京を辞めることも考えていなかったので少し悩みましたが、仕事や子育てのバランスも自分に合っていそうだったので、新しい世界に足を踏み入れてみようと思いました。

 

――どんなところで悩みましたか?

福田 やっぱりテレビ東京という大きな企業にいなければできない仕事もたくさんありますし、大企業にいたからこそ私は8年弱恩恵を受けてきたと思うので、そこを離れてしまう恐怖と寂しさ、そして迷いもありました。でも、アナウンサーの仕事だけではなくもっと主体的にいろいろなことにチャレンジしたい気持ちもあったんです。

転職サイトに試しに登録してみると…

――働き方について迷われていたときに、元ファミリーマート社長の澤田貴司さんからのアドバイスもあったそうですね。

福田 澤田さんがご自身の会社の社員全員に転職サイトに登録して、自分の市場価値や立ち位置を理解しなさいと。他の会社からも欲しがられる人材になりなさいといったニュアンスで伝えているようで、私にもまず今の自分のポジションがわかった上で悩んだらいいんじゃないかって言ってくださったんです。そのときは転職するつもりはなかったのですが、自分が転職市場でどう評価されるのかみてみようと思い、もちろんアナウンサーの欄はないから似たようなところでこれかな? これかな? と登録してみると、ないわけですよ、私の特徴が。

 広報の経験もなければイベントの企画もしたことがない。特段社員として評価されるポイントがないんです。また、年収が一番大事なわけではないですが、年収ベースでみると200万円か300万円下がる結果になって、アナウンサーの仕事って求められてないのかなって思ったこともありました。