福田さんの答えは…
福田 プレッシャーしかないですね(笑)。だって大江(麻理子)さんには天と地がひっくり返ってもなれないわけで、狩野(恵里)さんも天才的に面白いので、ああいう風にはなれないんですけど、ああいう風になることも求められていない。なのに、おふたりが活躍されているから私もどうにかしなきゃっ…! って勝手におふたりとおこがましくも自分を比べていて、できない自分を受け入れられなかった。
もっとできるはずなのにって自己評価を高くしすぎていたのが一番の失敗で、もっと私はできないんだからってできない自分を受け入れておくべきだったと思いますし、できない自分をさらけ出す勇気を持てれば全然違ったと思うんです。
――『モヤさま』をご自分の中で振り返れるようになったのはいつくらいからですか?
福田 そうですね…今年がテレビ東京60周年で、去年『テレ東60祭@なぜか横浜赤レンガ』というステージでは振り返れたので、その前の『モヤさま』15周年のステージのとき…。でもあのときは自分の中で何かが残っていたような気がしていて、事前にステージで話す内容をアンケート形式で答える作業をしているときに、私どうだったっけ? って。詳しい思い出に蓋がされるくらい全然出てこなくて、私がアシスタントをしている時代の『モヤさま』をよく観てくれた『モヤさま』ファンの友達に、「ねぇ、私どうだった?」って連絡して聞くくらい、ほとんど思い出せなかったですね。
友達が「できなかった自分、ごめんなさい(笑)」って受け入れたらって。そう思ってやらないと『モヤさま』のアシスタントをしていた時期、もったいないじゃんって言ってくれたので、確かに。だってできなかったって私が思っているのは事実だもんねって気持ちになれたのが、ここ数年ですかね。
心持ちが変わって来たきっかけ
たぶん、アシスタントを卒業してしばらくはできなかった自分をひた隠しにしていたと思うんです。人に言えなかったし、言うのも辛かったのかな。自分で自分の気持ちが分かってなかったと思うんですけど。『モヤさま』ってみんなが自然体でいる番組で、そこで起こったことってドキュメンタリーのようにリアルタイムで刻まれていくような番組なので、私ができなかったことも『モヤさま』の歴史の一部で。