「自分は嫌われ者」ゆえ
なぜ、石破は勝てないか。
2017年の都議選で自民党が惨敗したとき、石破はブログで身内を「乗っている者同士が責任の押し付け合いや犯人捜しなどしている場合でない」「挙党体制というものが一切の意見や批判を許さないことと同義ではない」(2017年7月7日)と批判する。当然、党内には石破への怒りの声が渦巻いた。なるほど、石破自身が認める「自分は嫌われ者」ゆえ、党総裁=総理になれないのかもしれない。
なお、2008年の自民党総裁選では、もう1人、慶應神童が立候補している。石原伸晃(1976年)。党幹事長にまでなったが、総理への道は、石原がなにか発言するたびに遠のいていく。「福島原発第一サティアン」「最後は金目でしょ」「胃ろう患者は寄生したエイリアンみたい」「脱原発は集団ヒステリー」。これほどに軽いと党内で支持は集まらない。
どういうわけか慶應神童政治家のひとことはハレーションを起こしてしまう。
外務大臣の河野太郎(1981年)である。河野は他国に北朝鮮との国交断絶を呼びかけるようなことを言ってしまう。北朝鮮が核実験の準備をしている旨の発言では、中国外務省から「足を引っ張ることのないように望む」と怒られてしまった。
また、河野はアメリカ・トランプ政権の新核戦略「核体制の見直し」において核兵器の先制使用も辞さないという政策に、「高く評価する」との談話を発表してしまう。国内の被爆者団体から総スカンを食らった。