さらに特典として申し込み人数分のドリンク引換券を提供する。これはツアー商品の体裁を整えて法的な問題をクリアするためだ。
他にも子ども全員にウェットティッシュ、とくに3歳未満の子どもに乳幼児向けのオリジナルグッズをプレゼント。企業の福利厚生をサポートするサービス「ベネフィット・ステーション」とコラボして登録会員にポイント特典を提供し、タカラトミーとのコラボでは車内でプラレールが当たる抽選会も実施した。
近年、JR東海は「推し旅アップデート」と題して、旅する人の「好き」を応援する旅行商品を提供している。歴史や観光といった定番に加えてアニメやゲーム、音楽もあり、社員が立案して実現したとみられる企画も多い。これらが「JR東海のイメージが変わった」と話題になっている。この社員のボトムアップで生まれた企画の元祖は、2010年の「ファミリー新幹線」だったともいえる。
「たまごっち」「かっぱえびせん」とコラボしたことも
「ファミリー新幹線」の手応えを得て、2010年の年末年始からは「ファミリー車両」としてサービス継続。
12月25日から1月10日までの毎日、のぞみ1往復、こだま1往復の全39本に設定され、のぞみは「+1席」こだまは「+1席なし」と少々違うが、どちらも差額わずか2000円加算だ。「1ドリンク引換券」と「プラレール新幹線セットを抽選で50名にプレゼント」も継続している。
2011年以降はのぞみの「ファミリー車両」が夏と年末年始で継続した。2015年の年末年始から2017年夏までは「ファミリー車両」を中心とした「親子で楽しむ新幹線」キャンペーンを行っている。
2017年からは「ファミリー車両」の単独企画に戻り、春の大型連休も設定された。基本的には1日1往復だったが2往復や3往復の日もあった。2016年は一部の編成で2両が設定されるなど提供が増え、2018年の夏は7月14日~9月3日と過去最長期間に加えて対象列車も190本と最高記録となった。
「ファミリー車両」のキホン特典は「申し込み人数+1席」、「有料申し込み席1席につき1ドリンク引換券設定」、「全員にプラレールと新幹線のコラボグッズプレゼント」、「抽選でプラレール商品プレゼント」など。
さらにコラボ企画として「たまごっち」「かっぱえびせん」「ケロッグ」「カゴメ」「PANTENE」「おやすみ、ロジャー(絵本)」が加わったシーズンもある。2018年の年末年始から「全員対象のグッズプレゼント」はなくなったが、記念写真用のパネルの貸し出しを実施している。