名前や形を変えながらも、確実に支持を広げて15年目を迎えたJRの「お子さま連れ車両」。

 その人気の理由を、JR東海営業本部の冨永久子氏に聞いた。冨永氏は昨年から「お子さま連れ専用車両」を担当している。

東海旅客鉄道株式会社営業本部 需要創出グループ 冨永久子氏

「苦情が多かったわけではないですが、親としては萎縮しますよね」

「お客様アンケートを拝見しますと、やっぱり長時間移動するときに、お子さま連れ車両のおかげで移動自体にストレスがかからなくて、安心するというお声をたくさん頂いています。気兼ねなく乗れて嬉しいですという声が一番多いですね。お子さんがすごく騒いでしまわないか、他の人に迷惑をかけないかと、ずっと気にして乗っているそうです。

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 子どもがうるさいという苦情が多かったわけではないようですが、親としては萎縮しますよね。だから新幹線の旅を遠慮してしまう。そんな保護者が多かったと思います。ファミリー新幹線が誕生した当時は、個人が発信できる時代ではなく、共感の輪が広がる環境もなかったと思います。

 しかし、列車が1本だと時間帯や日にちが限られてしまって、利用したい人に届かないこともありました。そこで1車両の貸し切りで時間帯をいくつか用意し、1日に2本を用意するような形になりました。列車の本数は増えたり減ったりですね。1日最大4本を設定した時期もありました。

 本数や運行時間帯は、利用動向を見て設定しています。これはもう14年間のノウハウがあって、必要とされているかなと予想するところに設定していきます。たとえばビジネスマンなら朝の時間帯が中心ですが、親子づれだと家を出る時間が遅いので、お昼くらいがピークになりそう、など。他の車両がすごく混雑している中で、ファミリー車両だけがスカスカという状況はよろしくない、ですとか」(冨永氏)