「コロナ後に+1席をやめていますが、それによるクレームや利用客数低下にはなっていません」(冨永氏)
近年は子育てグッズも進化しており、最近のベビーカーは昔に比べると軽く、製品によっては折りたたむとコンパクトになって荷棚にも載るそうだ。東海道新幹線では2020年5月から、各車両の客室内最後部座席を「特大荷物スペースつき座席」として予約できるようになった。しかし「お子さま連れ車両」では予約する設定がないため、車両最後部スペースを譲り合って使うか、荷棚の利用が基本だという。
オムツ替えや授乳用のスペースも拡大中
また、2023年5月からは普通車4両、グリーン車1両に「特大荷物コーナーつき座席」を設定している。デッキにあるロック機構付きの大型荷物置き場が使えるチケットで、予約した場合は追加料金は不要。荷物が多い場合は、両親のうちひとりはお子さま連れ車両を予約し、もうひとりが「特大荷物コーナーつき座席」を予約する方法もあるだろう。車両は分かれてしまうが。
このほか、東海道新幹線はオムツ替え用として奇数号車の洋式トイレに折りたたみベビーベッドがある。授乳スペースは11号車の多目的室が利用可能だ。N700Sでは3、11、15号車にも授乳に使えるスペースがある。
さらに主要駅にはベビー休憩室があるほか、ベビーケアルーム「mamaro」の設置も進んでいる。ビジネスマン向けの簡易個室「EXPRESS WORK-Booth」の子育て版のような仕組みだ。
「お子さま連れ車両」に乗った子どもたちが新幹線を大好きになり、やがてその子たちがママやパパになる。お子さま連れ車両も継続され、進化していくことだろう。東海道新幹線はずっと、子育てに優しい列車でいてほしい。