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「タダでいいから土地をあげたい」人に譲渡先を見つける“0円負動産マッチング”…「全額自腹のサポーター」のナゾ

「タダでいいから土地をあげたい」人に譲渡先を見つける“0円負動産マッチング”…「全額自腹のサポーター」のナゾ

“負動産”と「0円の土地」マッチング#2

2024/05/01
note

物件を紹介するときに「絶対に言わない言葉」

 中村さんは2019年7月に「みんなの0円物件」を開設した。最初の1年間は物件探しや登録に追われていたが、次第にサイトのアクセス数や問い合わせが増えて、今では全国1600件以上の物件を紹介し、月間のページ閲覧数も200万回を優に超えるほどのホームページに成長した。

「物件を紹介するときは、『これはいい物件です』と言わないように心がけています。期待させ過ぎる言葉を使ってしまうと、あとでトラブルの要因になってしまいます。物件はありのままを、包み隠さず紹介するようにしています」(中村さん)

 その気配りが信頼性を高めているのか、物件の成約率は8割強という高い数字をキープしているという。しかし、「0円」でやりとりして、採算はどのように取っているのだろう。

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「0円」でやり取りしていて採算はとれる…?

竹内氏の家の「負動産」に面した道路。竹藪の中をかがみながら歩かなければ通行できない

「取引を自己責任で行う手数料無料の『0円プラン』と、交渉や手続きを有料でサポートする税込み16万5,000円の『おまかせプラン』の2種類を用意しています。約7割のお客様が有料サポートを希望します。特に建物付きの土地の取引に関しては、有料サポートを利用するお客様が多いです」(中村さん)

 私の場合、「無料プラン」を利用したが、見知らぬ人との土地の取引にはやはり不安が残った。一時的だが、相手の司法書士との連絡が滞った時期もあったので、「おまかせプランを選んでおけば良かった」と後悔したのも事実である。