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0円物件の取引に携わって分かったこと

「0円物件の取引に携わって分かったことは、不動産を取り巻くルールそのものが、ぐちゃぐちゃになっているという現実でした。整理して、パターン化し、法律に落とし込んでいけば、全国の空き家問題が解決するかもしれません。このサービスをきっかけに、社会のルールを考えている人たちが動いてくれるようになれば嬉しいです」

「みんなの0円物件」がなければ、土地の買い取り料で危うく30万円の出費が発生するところだった。場合によっては30万円を惜しんで、子や孫の代にまで相続の問題を押し付けて、時代を超えて恨まれることになっていたかもしれない。

近くには朽ち果てた住宅が点在している

 なにより、一番胸を撫でおろしているのは、高齢の両親である。自分たちがきっかけとなり、子や孫の代まで不幸になる現実は、余生を過ごすにはあまりにも辛すぎる。そんな両親の気持ちを救ってくれたことは、私にとって0円以上の価値があることだった。

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写真=竹内謙礼