ブフラル大使 そうですね、確かにゴージャスなリゾートホテルはありますが、ほかにもさまざまなカテゴリー、スタイルの宿泊施設がありますよ。
もちろん、ハリウッドのトップ俳優が宿泊するような格式高いホテルには、一般のゲストとは別の入り口が設けられ、ほかのゲストからは姿が見えない作りになっているところが多いです。
完全にプライバシーが守られた環境下で、必要に応じてレセプションや試写会場に赴くことができるので、世界的に有名な俳優が安心して映画祭に来てくださるのだと思います。
ホテル同様、映画館にもさまざまなタイプがあります。単館の映画館のほか、都市部には日本のように、複数のスクリーンがあるシネマコンプレックスやIMAXシアターもあるし、屋外で上映されるオープン映画館もあります。
ミニシアターも各地にあって、首都ラバトのメディナ(旧市街)には、4つもミニシアターがあるんですよ。
塚本晋也や『漁港の肉子ちゃん』も受賞、『一休さん』の放映も
──モロッコでは日本の映画が上映されることもありますか? どのような映画が人気なのでしょうか。
ブフラル大使 やはりハリウッド映画が有名ですが、日本映画も認知されていますよ。2016年の第16回マラケシュ国際映画祭では、日本の塚本晋也監督に“トリビュート”(※功労賞に相当)が贈られました。過去には第7回の青山真治監督、第10回の黒沢清監督にも“トリビュート”が贈られています。
日本のアニメも非常に人気が高いですね。2022年のメクネス国際アニメーション映画祭では、明石家さんまさんが企画・プロデュースしたアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』(渡辺歩監督)が、観客賞とジュニア審査委員賞の2部門を受賞しました。
また、映画ではありませんが、『タイガーマスク』『一休さん』『名探偵コナン』『ドラゴンボール』『ポケットモンスター』『ONE PIECE』など、実は過去40年間に日本のアニメも数多く国営放送で放映されているんですよ。
“フィルター加工不要”のマラケシュやワルザザートの光
──日本の映画やアニメ作品が親しまれているのは嬉しいです。日本からモロッコを訪れる際に、ワルザザート以外でおすすめの映画ロケ地はありますか?
ブフラル大使 有名な映画のロケ地は、飛行機の国内線や列車、バスなどの公共機関を利用して巡ることができます。