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雄大な自然に加え「撮影費30%キャッシュバック」も…駐日大使が明かす〈モロッコが外国映画ロケを手厚くサポート〉する理由

ラシャッド・ブフラル駐日モロッコ王国大使インタビュー

2024/05/18

source : 週刊文春CINEMA オンライン オリジナル

genre : エンタメ, 映画, 国際, 経済

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 たとえばカサブランカ。1942年に公開された名作『カサブランカ』で有名なこの場所は、モロッコの空の玄関口にあります(空港名は「ムハンマド5世空港」)。

 でも実は、映画『カサブランカ』の撮影はすべてスタジオでのセットで、残念ながらカサブランカで撮影されたシーンはひとつもないんですよ。

 代わりに、カサブランカには映画に登場する“リックス・バー”をモデルに作られた“リックス・カフェ”があるので、映画の雰囲気が味わいたい方はこちらへ行かれるとよいかと思います。実際にカサブランカで撮影された映画には、『シリアナ』(06年)などがあります。

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世界遺産に登録されているマラケシュの旧市街。その中心地であり、夕暮れには屋台が並ぶジャマ・エル・フナ広場は「文化的空間」として世界無形文化遺産にも登録されている ©文藝春秋

 マラケシュやワルザザートは、「フィルター加工が必要ないほど光の加減が素晴らしい」と、映画製作者たちからよく言われる場所です。

『グッバイ・モロッコ』(99年)は、このマラケシュで撮影されました。映画ロケ地以外にも見どころがたくさんありますので、ぜひ訪れていただきたいと思います。

『ボーン・アルティメイタム』や『007 スペクター』のロケ地も

──ロケ地としては意外と知られていない場所もあれば、ぜひ教えてください。

ブフラル大使 タンジェでしょうか。モロッコ北部、ジブラルタル海峡に面していて、アフリカとヨーロッパの交差点にある大都市です。この街では、『ボーン・アルティメイタム』(07年)が撮影されました。

ブフラル大使 ©山元茂樹/文藝春秋

 また、『007 スペクター』(15年)に登場するジェベル・ムダワール は、モロッコ南東部に位置する馬蹄形の地層です。ユニークなシルエットと50メートルもの高さで、砂漠の天然モニュメントとなっています。

 映画をきっかけに、ぜひモロッコへ足を運んでいただけたら嬉しいですね。 

ラシャッド・ブフラル 1951年8月26日モロッコ・ラバト市出身。1976 年 フランス・ルーアンにて商業・経営大学院(ESC)で MBA 取得。駐EU・ベルギー・ルクセンブルグ、駐独、駐米の各モロッコ王国特命全権大使などを経て2016年より現職。

雄大な自然に加え「撮影費30%キャッシュバック」も…駐日大使が明かす〈モロッコが外国映画ロケを手厚くサポート〉する理由

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