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それから数カ月後、再び住人に話を聞いたが、やはりイヤなニオイは解消されなかった。
「本格的に調査をすると、食洗機の配管が外れており、排水がすべて床下に流れ込む施工不良が発覚しました。すぐに工事をしましたが、住人の方には2年弱ものあいだ、異臭を我慢させてしまい、本当に申し訳なかったです。私を含め、関係者全員が『新築のタワマンに排水トラブルがあるはずがない』と思い込んでいたのが、発見の遅れを招いてしまいました」
早めの連絡が退去時のトラブルを回避するカギ
月数十万円もするタワマンの家賃を払いながら、異臭に悩まされる生活はいたたまれない。家賃の金額にかかわらず、控えめな人ほどなかなか相談してくれない、と山田さんは話す。
「先述のケースは特殊ですが、部屋の違和感は早めに相談してほしいのが本音です。たとえ新築でも、住み始めてからわかる不具合は発生します。可能であれば、入居してから1~3カ月以内に、管理会社や仲介してくれた担当者に連絡を入れて対応してもらいましょう」
とくに新築の場合は、入居直後に相談するのがベスト。早めの連絡が、退去時のトラブルを回避するカギだという。
「その名の通り“新築”なので。部屋の汚損に関して『もともとあった傷』という言い訳は通用しにくい状況です。ただ、施工中についた汚損もあると思うので、新築であってもまずは部屋の中をくまなく確認してください。入居の段階で写真を撮って、管理会社に報告しておくと安心ですね」
“新しさ”が落とし穴にもなりうる新築物件。入居を検討する際は、あらゆる視点でメリットとデメリットを考慮するのが吉だ。