元TBSアナウンサーで、現在はビジネス映像メディア「PIVOT」の番組プロデューサー兼MCとして活躍する国山ハセンさん(33)。今年4月には、「対話力」にフォーカスした自身初の著書『アタマがよくなる「対話力」 相手がつい教えたくなる聞き方・話し方』(朝日新聞出版)を上梓した。
映像や音声を通して「対話力」を発揮しているハセンさんは、いかにしてそのスキルを身につけたのか。彼の原点やアナウンサー時代の経験について、話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)
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サッカーがきっかけでシャイな性格を直すことを意識
――アナウンサーやプロデューサーなど、まさに「対話力」が試される現場の最前線で活躍しているハセンさんですが、意外なことに幼少期は人前に立つのが苦手な、大人しい性格だったそうですね。
国山ハセンさん(以下、ハセン) 小学校の低学年までは、どちらかと言うとシャイなタイプでしたね。当時から人前に立つことに憧れは持っていたんですよ。でも、いざ人前に出ると緊張しちゃって、上手くしゃべれなかったんです。
「このままじゃいけない」と思い始めたのは、小学校の高学年で真剣にサッカーを始めてからでした。チームプレイのスポーツって、存在感を出さないとチャンスは巡ってこないし、「恥ずかしい」と遠慮していたら周りに迷惑をかけてしまう。サッカーが大好きだからこそ、中途半端なことはしたくなかったんです。
――チームの中で存在感を出すために、どんなことをしたのでしょうか。
ハセン 挨拶をしっかりするとか、試合や練習中は大きな声を出すとか、そんな当たり前のことからスタートしました。それが自然にできるようになってからは、自分の考えを少しずつ出せるようになっていって。
そしたら、僕に対する周りの反応が変わったんです。周りも自分のことを話してくれるようになるし、僕が本音で話せば話すほど、周囲に笑顔が増えていきました。自分の発信で人を笑顔にできた経験は、その後の進路にも影響を与えるくらい、大きな自信になりました。
いろんなコミュニティに属しながら、信頼関係を構築
――では、その頃からアナウンサーを志していたのでしょうか?
ハセン いや、当時はまさか自分がアナウンサーになるとは思っていませんでした。ただ、とにかく人と話すのが楽しくて、学生時代はいろんなコミュニティに所属していましたね。僕、本当にどんな人とでも、違和感なく話せると思うんですよ。