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 でも、高い緊張感の中でも対話を諦めないマインドは、おふたりのおかげで身につきました。ふたりとも、知識と経験がものすごい。それを聞きたいから、怖くても緊張しても、食らいついていきました。

――加藤さんや和田さんと向き合うことで、対話力がより磨かれた、と。

ハセン それは間違いないですね。アナウンサーという立場上、共演者の方々と距離を縮めすぎないほうが良いという考え方もあると思います。

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 でも、あえて飛び込んで距離を縮めたことで、得られたことがたくさんあった。そのときに得た経験は、別の現場や組織でも活きています。

 

飲み会で対話力が身に着く理由

――ただ、いくら対話力を身に着けたいと思っても、加藤さんと和田さんのような「対話のプロ」と関わるのはかなりハードルが高いですよね。一般の人が対話力をあげるには、どうしたらいいと思いますか?

ハセン 飲み会に行くのがおすすめです!

――それはどうしてでしょう。

ハセン 飲み会の場って、ファシリテーション力が鍛えられるんですよ。特に会社の飲み会だと、いろんな肩書きや年代の人が集まるじゃないですか。その人たちをまとめて飲み会を盛り上げるのは、かなりのスキルが必要ですからね。

「どんな話題なら全員が楽しめるか」「そのためには、誰にどのタイミングで話を振るといいか」を意識するだけでも、どんどん鍛えられていきますよ。いろんな人の話が聞けるから、純粋に学びにもなりますし。

よく合コンに参加していたワケ

――そういえば以前、「結婚前はよく合コンに行っていた」とお話しされているのをテレビで拝見しました。

ハセン それでよく「パリピ」って言われるんですけどね(笑)。合コンって、職場と家を往復しているだけでは出会えない、いろんな職業の方とお話しできるじゃないですか。知らなかったことを知れるのは楽しいし、自分と違う属性の人から話を引き出す訓練にもなります。

 ただ、今思うとそれは後付けの理由で、シンプルに目の前の人が楽しそうにしていたり、場が盛り上がったりするのが嬉しくて、参加していただけかもしれません。

 

――「自分の発信で人を笑顔にしたい」という軸は、学生時代から一貫しているのですね。

ハセン その軸は今もブレずに持ち続けていますし、アナウンサー時代も意識していましたね。たとえば、現場取材をするときは、目の前にいる人たちの気持ちや、その場で起こっていることをリアルに視聴者に伝えることが大事だと思っていました。間接的にではなく、直接的な対話で得られることの方が圧倒的に多いし、誰かの感情を動かす発信につながると信じていたので。

撮影=松本輝一/文藝春秋

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