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 この著作もそうですが、本というものは著者だけで作るものではなく、編集者や印刷業者、書店など、さまざまな人が関わってようやく読者のもとに届きます。それを考えると、私の不始末だけで本の内容とは全く無関係なレビューがつくのは許せないと思いました。

 そこでアマゾンのサイトで当該レビューは違反だと報告したのですが、反応はなく、本稿執筆時点でもそのままになっています。しかしその後、私の著作をちゃんと読んだうえでレビューをしてくださる方が現れ、現在の評価はかなり改善されています。ネットも悪いことばかりではありません。

 ともあれ、このように無数の敵意に囲まれていると、胃の下のあたりがずっとシクシクしているような感覚になります。実を言うと、私は2011年にも大規模な炎上に関わったことがあります。9年ぶり2度目というと、まるで甲子園出場を決めた高校の野球部のようですが、全くもって嬉しくはありません。前回の炎上は今回のそれよりもずっと規模が大きかったものの、私自身は当事者ではありませんでした。しかし、今回は最初から最後まで自分が蒔いた種ですから、どこにも逃げ場がありません。

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ただただしんどい日が続く

 炎上している人に対して「ネットから離れたら」というアドバイスが行われることがあります。しかし、炎上しているときというのは、ネットを開いていないときでもずっと嫌な感覚が抜けないのです。しかも、何が仕掛けられてくるのかを確認し、場合によっては対応する必要も出てきます。そのため、どうしてもネットを眺めてしまい、さらに嫌な気持ちになるというサイクルに陥ることになります。

 そうやって9月12日は、ただただしんどいなかで過ぎていきました。