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ーー中学生のデートで、タクシー、寿司屋、シャネルというワードはまず出てこないです。

内山 遊園地でデートみたいな、10代の普通が分からなかったんです。テレビ局のプロデューサーの人たちが、デートでどこへ行った、こういったことをしたら喜んでくれたって話をしているのを聞いて、それが普通だと思ってたんです。ブレザーを着た中学生でしたけど、中身は完全におっさんでした。今年で43歳になるので、やっと外見と中身が一致してきた気がしますね。

©松本輝一 /文藝春秋

ーーそんな中学生活を送っていた14歳の時に『あっぱれさんま大先生』が終了するわけですが、終わる予感や「もう年齢的にキツイだろ」みたいな思いを抱いていましたか?

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内山 小学6年生になったあたりで、「もう終わるだろうな」と思ってました。『あっぱれ』には僕より上の人たちもいて、僕が6年のときに中3の子がいたんですよ。その子を見て「背もデカくなって、もう子供ではないな」って。

 僕も小6で身長170センチ、体重90キロあったんで、もはや子役じゃないんですよ。なんなら、さんまさんと背の高さが変わんなくなってきちゃって。中1に上がってさんまさんの背を抜いて、体重100キロ超えたけど、番組は続いて。「いや、さすがに限界だって」と思ってたら、中2の時に終わりました。

 だって、僕以外もでかくなっちゃってるんですもん。寂しかったけど、覚悟はしてましたね。

©松本輝一 /文藝春秋

「なんとなく仕事が来てたのが15歳になってピタッと来なくなったんです」

ーー寂しさを感じつつ、『あっぱれ』が終わっても何かしら仕事はあるだろうなと。

内山 正直思ってました。これ、人気があった子役たちの多くが勘違いするらしいけど、本当にそうで。テレビに出なくなった先輩たちのことを聞いてるのに、「自分だけは大丈夫」と思ってしまうんですよね。

 また、僕は営業とかも多かったので大丈夫だろうって。実際、『あっぱれ』が終わってから1年ぐらいは、バラエティーに呼ばれたりして、なんとなく仕事が来てたんですよ。「あ、いけるな」と思ってたら、15歳になってピタッと来なくなったんです。

15歳の頃の内山さん 写真では明るく振舞っているが…

ーー「どうしよう」みたいな焦りが。

内山 どっちかというと驚きましたね。周囲の反応がガラッと変わってくることにビックリしたというか。いままでお世話になったスタッフの人たちも近所の人も、明らかに接し方が違うんですよ。

 それまでは近所の人から「信ちゃん、がんばってるね」と声を掛けられたのに、「学校行きなよ」的な反応されるんですよ。「最近、テレビ出ないね」とも言われて、やっぱりグサッときてました。それで、外に出るのもイヤになっちゃって。