〈あらすじ〉

 パリ郊外(バンリュー)の公営団地には貧困層の移民が多数暮らしている。その一画「バティモン5」では、老朽化のための取り壊し計画が行政により進められていた。そんな中、市長の急逝で臨時市長となった市議会議員で小児科医のピエール(アレクシス・マネンティ)は、計画推進と治安改善を“排除”という方法で強行、住民たちの怒りを招く。一方、バティモン5の住人で、移民たちのケアスタッフとして働く黒人女性のアビー(アンタ・ディアウ)は、次期市長選への立候補を表明。行政と住民の対立は一触即発状態に――。

〈解説〉

 バンリュー出身のラジ・リ監督の、『レ・ミゼラブル』に続く社会派ドラマ。105分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆パリでも郊外には貧しい移民家族の暮らしがあり、行政と対立。破壊や炎上は事態を悪くするばかりと、少々イラつく。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆話の導入部はリアルなのだが、見せ場を急いで出しすぎたせいか、そのあとが案外深まらない。意匠倒れが惜しまれる。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆弱者への過酷さは具体的で暮らしを失う恐怖に共感するほど。だが暴力を非難するなら憎しみだけでない行動が見たい。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆極限まで圧力を高めていく緊張感の醸成が凄い。仏版ブラック・ライヴズ・マター的な郊外の内戦。撮影の空間把握も◎。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆前作の『レ・ミゼラブル』より大袈裟な作りが気になる。フランスが抱えている60年代からの移民と国家の断片を覗く。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©SRAB FILMS - LYLY FILMS - FRANCE 2 CINÉMA - PANACHE PRODUCTIONS - LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE - 2023
配給:STAR CHANNEL MOVIES
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バティモン5 望まれざる者(仏、ベルギー)
5月24日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
https://block5-movie.com/