〈あらすじ〉

 ドイツのとある中学校に赴任してきた教師のカーラ・ノヴァク(レオニー・ベネシュ)は、新学期から1年生のクラスを受け持っている。仕事熱心で責任感が強い彼女は、生徒や同僚からの信頼を獲得しつつあった。

 その頃、金品の盗難事件が校内で頻発。“不寛容(ゼロ・トレランス)方式”を掲げるベーム校長は、カーラの授業中に、抜き打ちで持ち物検査を強行する。そのやり方に反発し、カーラは独自の犯人探しを開始。隠し撮りした映像で、ある人物の犯行を確信し問い詰めると、当人は全面的に否認し激怒する。さらにはカーラの盗撮や学校側の対応が、保護者や生徒の猛反発を招いてしまう。

〈解説〉

 若い女性教師が職場で追い込まれていくサスペンス。脚本も手掛けたイルケル・チャタク監督の長編第4作、日本劇場初公開作。第96回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート。99分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆決定的証拠があるのに居直る女。「母は強し」ということか。若い女教師のとまどい、そして逆襲(!?)というサスペンス。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆苦手な話だが、監督の腕前が侮りがたい。撮影や編集のリズムが、ドミノ倒しのように起こる連鎖反応と噛み合っている。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★☆☆隠す事がありふれた行為なのか、赤裸々にすればどんな教室でも犯罪が噴出しそうで人権が絡むと抜け出せぬ沼のよう。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆善意の教師や聡明な生徒の主体が衝突して渦を巻く。ボタンの掛け違いから加速する悪夢的展開は圧巻。憂鬱だが力強い。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆権威原理や社会の縮図の予兆ある学校を背景に、ユペールを想起させる主演女優が牽引。「真理はすべてに打ち勝つ」!

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
© if... Productions/ZDF/arte MMXXII
配給:アルバトロス・フィルム
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ありふれた教室(独)
5月17日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国公開
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