〈あらすじ〉
ドイツ人の人気作家サンドラ(ザンドラ・ヒュラー)は、フランス人の夫サミュエル(サミュエル・タイス)、視覚障害のある11歳の息子ダニエル(ミロ・マシャド・グラネール)、愛犬のスヌープと、人里離れた雪山の山荘に暮らしていた。
冬のある日、サミュエルが転落死体で発見される。殺人容疑をかけられたサンドラは、かつて交流があった弁護士のヴァンサン(スワン・アルロー)を呼び出して無実を主張。しかし裁判では、証人たちから夫婦の秘密が次々と暴露され、審理は混乱状態に――。
〈解説〉
ある夫婦に起きた不可解な悲劇を描いたミステリー。『愛欲のセラピー』に続くジュスティーヌ・トリエの監督・脚本作。第76回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。第96回アカデミー賞で作品賞を含む5部門ノミネート。152分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆セリフ、セリフ、セリフ……の2時間半。なおかつ法廷劇部分もあり。演者にとっては見せどころだが。子供と犬が救いに。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆事件の謎解きを装いつつ、実存の謎解きへと観客を誘導する。感情のこじれを放置したときの「転移」が精緻に描かれる。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆言葉を操る表現者同士が、これほど執念深く互いを観察し痛めつけ合うとは。夫婦という関係や生活自体が犯罪に思える。
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森直人(映画評論家)
★★★★★久々に来たミステリーの大玉。『或る殺人』と『氷の微笑』に補助線を引きたい。解釈を巡って絶対誰かと話したくなる!
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洞口依子(女優)
★★★★★天才主演女優の演技! まるで麻酔なしでカップルの原点や複雑さを深く切り覗き見る人間関係解剖学。斬新で清々しい。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
落下の解剖学(仏)
2月23日(金・祝)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
https://gaga.ne.jp/anatomy/