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SNSのつぶやきでも、「9ボーダー」の劣勢が明確だ。

「(着飾る恋の)二番煎じ感が否めないなぁ」
「(川口春奈でも)私には刺さらなかった」
「役者の無駄遣い感半端ない」

ドラマ名と「離脱」という言葉で検索すると、「9ボーダー」は5倍もヒット数が多い。視聴率右肩下がりはこうして起こっていたのである。

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サラリーマンの見方

今田と川口は、共に20代のOLを演じている。ところが職業・職種別にどう見られているかを分析すると、両ドラマには大きな違いがある。

サラリーマン全体では、「花咲舞」の視聴者が1.5倍近く多い。

原因はやはり“注目する層の幅”にある。「9ボーダー」は女性の非管理職や非正規の人々で健闘はしているが、男性の非管理職や非正規では、倍前後の差をつけられてしまった。

職種別では営業や企画・マーケティング職でまずまずだったが、技術職・接客業・公務員などでは「花咲舞」が大きくリードした。特に今田と同じ金融・保険で働く女性は、2倍差となった。やはり身近で自分事となる内容か否かは、ドラマの設定が大きな力をもったようだ。

今後を占う

前出の経歴を比べると、川口の黄金期は20~22年。片や今田の活躍は始まったばかりだ。視聴率は主演俳優だけで決まるわけではないが、期せずして今期両ドラマの視聴率は、2人の女優の瞬間風速的な勢いを反映させたようにも見える。

さらに、今田は来年度前期のNHK朝ドラ「あんぱん」の主役が決まった。ここまで幅広い役を演じているが、漫画家やなせたかしの妻・小松暢をモデルにした主人公が、どんな活躍を見せるのかにも注目が集まっている。

若年層や男性の支持が高い今田。そして主役ラッシュとなっている今の状況。どうやら冒頭で紹介したCM起用社数ランキングの首位が入れ替わるのも時間の問題と言えそうだ。なお、川口は長崎県で、今田は福岡県。同じ九州出身の女優の中には橋本環奈(福岡県)もおり、テレビやCMを席巻していると言えるかもしれない。