一方の今田(27歳)のキャリアは、川口にやや遅れる。
ヒロインに抜擢された映画『東京リベンジャーズ』で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞をとったのが3年前。テレビの連ドラ初主演は「悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~」(日本テレビ系)の2年前。そして去年は春と夏に連ドラで主要な役を演じ、秋には「いちばんすきな花」(フジテレビ系)で主役となった。今回の「花咲舞」は連ドラ3本目の主役である。
さて、それぞれが主演を張るドラマの評判はどんなものなのか。
「芸能人好き」層の動向
まず「芸能人好き」層は両ドラマにどう反応しているのかをチェックしよう。
世帯や個人だけでなく、特定層別の視聴率まで測定しているスイッチメディアのデータによれば、関東のサンプル約1万2000人のうち1割弱が「タレントや芸能人に興味あり」と答えている。
該当者全員では、今田の「花咲舞」と川口の「9ボーダー」はほぼ互角だ。性別の区分けでは、女性では川口が上だが、男性は今田が1.5倍となった。
これに年齢を重ねてみよう。
「50歳以上の女性」では川口が2割リードしたが、「49歳以下の女性」では3割以上今田が逆転した。
また「男性50歳以上」だと、今田が1.8倍近くとなる。ただし「49歳以下男性」では1.2倍程度と差はそれほど大きくない。
つまり「女性50歳以上」が川口派だが、「男性50歳以上」と「男女49歳以下」では今田派という構図だ。
ただし「女性50歳以上」はドラマ視聴者の最大ボリュームとなるため、全体では僅差となったのである。
興味深かったのは、初回から5話までの推移だ。
初回は川口派が圧倒した。ところが同層の「9ボーダー」視聴率は徐々に下がり、逆に「花咲舞」は右肩上がりとなる。5話では4割も今田派が凌駕した。放映開始当初の期待は「9ボーダー」が大きかったが、ドラマの内容により「花咲舞」が逆転した可能性がある。