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凝り固まった考えがほどけていく瞬間

 移住をするまでは「周囲はみんな富裕層ばかりなのでは」と心配もした。ただ、来てみてそうではないことがわかった。保護者ビザから就労ビザへの切り替えを考える人など、みんな長く滞在する工夫をしている。海外移住はセレブだけのものではなくなっていると肌で感じる。

 疲弊していた「ワーママ」時代を思うと、勇気を出して環境を変えて良かったと思う。渡航前は英語の教育環境に不安そうだった長男は、「まだ日本に帰りたくない」と学校の自由な雰囲気を気に入っている様子だ。次男もクラスに溶け込んでいる。

 子どもには失敗を恐れず、どんどん挑戦してほしい。だからこそ、言葉や習慣の壁にぶつかる自分の姿を積極的に見せるようにしている。

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「この前、学校の先生との面談があったんですけど、母子移住してきた外国人のママたちは先生に聞きたいことを英語でまとめたメモ帳を握りしめていて。『みんなでがんばろう』って励まし合ったんです。子どもは学校で毎日英語に触れて苦手意識も低くなってきますが、母親は普段は家で過ごしているので、そういう機会があると英語を勉強しなくちゃって思いになるんです」

 ようこさんはマレーシアに来てから、自分の勝手な思い込みや、凝り固まった考えがパーッとほどけていく瞬間があるという。

 2年の滞在の後、日本に帰るかどうかはまだ決めていない。