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ノルマンディー上陸作戦から80年。「史上最大の作戦」は経営戦略の教科書だ

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〈6月6日に上陸を開始した連合軍は、7月23日までに、約133万人の兵士と装備をノルマンディー海岸から北部フランスへと送り込んだが、これほどの規模の戦力を支えるには、膨大な兵站(弾薬、燃料、食料など)を英国から輸送しつづけなければならない〉

 このために建設されたのが、「マルベリーA」と「マルベリーB」という二つの「人工埠頭」である。

〈両マルベリーとも、ノルマンディー上陸翌日の6月7日から開設作業に着手し、16日夕から稼働し始めた。

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 ところが、すべてが計画通りに進むとは限らない。「マルベリーA」は、6月19日から22日の間に吹き荒れた暴風雨により大破した。このため実際に稼働したのは、「マルベリーB」のみだったが、8カ月間に250万人の兵士と車両50万台、物資400万トンを揚陸したのである〉

 「サプライチェーン」「ロジスティクス」の重要性について、山下氏はこう指摘する。

山下裕貴氏 ©文藝春秋

〈「作戦の規模」が大きくなればなるほど「兵站支援」の重要性が高まる。「大作戦は兵站作戦である」といわれる所以である。

 事業規模が大きくなるほど、原材料の調達、生産加工、在庫管理など、「補給(サプライチェーン)」「兵站(ロジスティクス)」の重要度が増すのは、今日の企業も同じだ〉

〈ロジスティクスの重要性は、戦後ますます高まった。コロナ禍で「サプライチェーン」の重要性が再認識されたのは、記憶に新しい。今日では、物流のみを取り扱う世界的企業も登場し、こうした物流システムを活用し、商品開発や販売まで手掛ける企業も誕生している〉

 山下氏の「ノルマンディー上陸作戦に学ぶ経営戦略」では、この他にも「無名だったアイゼンハワーが抜擢された理由」「機密保持の重要性」「思い込みの危険性」などについても論じている。全文は、「文藝春秋」2024年7月号(6月10日発売)、および「文藝春秋 電子版」(6月9日公開)に掲載されている。

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80周年 ノルマンディー上陸作戦に学ぶ経営戦略
ノルマンディー上陸作戦から80年。「史上最大の作戦」は経営戦略の教科書だ

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