沖縄では、私のほかにジャンケットをやってるヤクザはいなかった。韓国のカジノには稲川会はいました。稲川会の結構上の人たちには、韓国系の人が多いですから、稲川会はジャンケットを持っています。ジャンケットもいるけれど、稲川会は向こうで金を貸していた。
カジノで賭けて負ける。これが普通です。金がなかった場合は、そこで借りて払うわけだけれど、日本に帰ってきてから払うということは基本的にありません。だからあっちでは、こんなことが起こっていた。
上海人と接触するために何度も上海へ
女の子を連れていくから、格好つけて賭ける。本当にどんどん賭ける。最低1000万円です。100万円とかはいない。最低1000万円。それでやっていると、熱が上がってくる。もうカネがない。でもやめない。
カジノにはまるやつはギャンブル依存症ですから。日本に電話して金を送らせたり、金を持ってこさせたりする。ヤクザの金融から金を借りたくないけど、最後はそこになる。ヤクザはパスポートを預かって、それで金を貸す。トイチですから大きいです。
その頃、上海人は1日で1億円賭けていました。私は爪を伸ばして、こいつらに絶対接触しようと思って、何回も上海に旅行に行ったものです。マフィアですが、いろんな中国人とつながりができたんだけれど、上海人はプライドが高い。彼らは韓国では賭けないのです。韓国なんかで賭けるのはバカだといって、マカオで賭けていた。私は、残念ながらマカオの代理店はできなかったのです。
詐欺師が儲けた金を横取り
韓国のカジノを舞台にしたジャンケットでは、相当稼ぎました。月に4ケタの金が入ってくるときがありました。ジャンケットで儲けた大金を、日本にどう持ってくるか。それが大変です。
外貨規制で100万円以上の持ち込みは申告しないといけない。香港でマネロン(マネーロンダリング)しようと、現地の会社を買って、そこの口座に儲けた金を入れる。
ところが、今度はそこで詐欺に遭ったりするのです。相手は詐欺師だから、手はずができている。金が入金されたら口座の元の持ち主に連絡がくるようになっていて、すぐそいつらがネットバンキングで引き出す。ヤクザのシノギを撥ねるやつがいるとは、上には上がいるものです。