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 いずれにしても2週間に1回病院に行って1時間点滴注射を受けるのは、患者さんや家族にとって負担が大きいはずです。現在、点滴注射より簡便な皮下注射用のレカネマブの開発が進んでいます。もし点滴と同じくらいの効果があることが示されれば、自宅で1週間に1回、患者さんかご家族による注射でレカネマブの投与が可能になります。2週間に1回病院を受診する必要がなくなるので、患者さんとご家族の負担は大いに軽減されるでしょう。

Q.レカネマブの治療にはいくらかかりますか?

 レカネマブ1瓶(500ミリグラム)の薬価(薬の公定価格)は11万4443円です。厚生労働大臣の諮問機関である中央社会保険医療協議会が2023年12月13日に決めました。

 体重1キログラム当たり10ミリグラムを1回の投与で使います。したがって体重50キログラムの人の場合、1回の投与で500ミリグラム。これを2週間に1回点滴で投与するので、1人当たり1年に約300万円の治療費がかかる計算です(投与の期間は原則的に1年半)。

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 レカネマブは公的医療保険の適用対象なので、患者さんの自己負担額は医療費の1~3割です。自己負担割合は年齢や収入によって異なりますが、3割の人なら1年に約90万円、2割の人なら60万円、1割の人なら30万円です。

『認知症医療革命』(伊東大介 著、扶桑社新書)

 医療費の負担額が1か月(月のはじめから終わりまで)で一定額を超えた場合にその超過分が支給される「高額療養費制度」もあります。こちらも年齢や収入によって自己負担限度額が異なりますが、後で払い戻されるので、しっかり確認しましょう。