2家族でひと月5万円あれば十分な暮らし
――男性の財力で家庭を支えているということでしたが、第一夫人の家庭と陽子さんの家庭のお金の割り振りはどのようにして行っているのでしょう。
陽子 お互いの家で何にいくらかかるか全部計算して、それを元にお金を分けています。第一夫人は子どもが4人いますけど、井戸から水を汲んでいるから水道代は要らないし、電気代も、電化製品がないのでほとんどかかりません。食費も、自分たちで作った農作物で賄うものが大半ということもあり、パソコンやら何やら使っている私の家の方が高くついています。それでも、2家族でひと月5万円あれば十分、ここでは生活できますね。
あと、立場的には第一夫人がもっとも上になるようで、権限が強いと聞きましたが、私の場合は外国人ということで例外らしく、第一夫人の方も対等に接してくれるし、私の子どものこともすごくかわいがってくれますね。
ベナン人にとって「外国人=お金持ち」
――ベナンで日本人と結婚する人は少ないのでは?
陽子 都市のコトヌーだとヨーロッパの人が住んでいるエリアがあったり、大使館や企業があるので外国人はぼちぼちいるんですけど、私のいる地方だと、外国人を見たことない人ばかりです。
なので、やっぱり珍しいからめちゃくちゃ見られますし、こっちで外国人のことを「ヨボ」と言うんですけど、独特の歌もあって、「ヨボヨボヨボヨボ」、どこに行ってもずっと歌われてます。
――歓迎ムードという感じなんでしょうか。
陽子 「わぁ、外国人!」の表現が、さっきの「ヨボの歌」って感じですかね。あと、ベナン人にとって「外国人=お金持ち」なので、外国人と結婚したボナはステータスが高いというか。それもあって、あることないこと噂されることも多いです。
「ボナは外国人といつも外食をしてて、ヨボが全部お金も払っている」とか、「第一夫人の家族をほったらかしにして家族にお金を入れていないらしい」とか。そんなこと全然ないんですけどね。
――嫉妬も混じっている?
陽子 そうだと思いますね。外国人というだけで、「じゃあ、あなたの家はお金持ちね」という感じで話してきたりとか、「お金に困ってないんだろ」みたいに言われたり。
あと、この辺は「グリグリ」という呪いみたいなものが残っていて、私たちにグリグリをかけてくる人がいるのか、不思議なことがよく起きるんです。
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