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女性が浮気をしたら“呪い”で殺害…西アフリカの最貧国ベナンで国際結婚した日本人女性が明かす、子どもを残し失踪した第一夫人のその後

女性が浮気をしたら“呪い”で殺害…西アフリカの最貧国ベナンで国際結婚した日本人女性が明かす、子どもを残し失踪した第一夫人のその後

エケ陽子さんインタビュー#3

2024/06/23

genre : ライフ, 社会, 国際

note

農村部ではいろんな面でいまだに男性優位

――陽子さんのように、ベナンでは子育ても仕事も家のことも女性がする?

陽子 小さい頃から、特に女の子は、「家のことをやれ」みたいな感じなんですよね。まだ子どもなのに、自分より小さい子の子守もするし、仕事も手伝うので、進学率は女の子の方が低いです。

 あと、男の人たちは飲み屋とかレストランにメッチャおるんですけど、女の人はほとんど見かけなくて。やっぱり、「女は家を守っておけ」という慣習が根強くあるので、女の人だけで飲み食いしてたら白い目で見られるでしょうね。

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――ママ友同士でランチなんてありえない?

陽子 絶対ないです。「あいつは家のこともしないでこんなところに来てる」と噂されちゃうと思います。

 

――恋愛でも、女性側に縛りがあったりする?

陽子 基本的に恋愛結婚ですけど、男の浮気は許されても、女の人が浮気をしたら大問題になって、それこそ、「グリグリ」(呪い)で殺されたみたいな話も聞いたことがあります。

 いろんな面でいまだに男性優位なことが多いのが、農村部だと思います。

――村から出ていってしまう女性もいるのでは?

出稼ぎに行ったのか、失踪してしまった第一夫人

陽子 それこそ、ボナの第一夫人が去年の秋に失踪してしまって、いまだに誰も居場所がわからないんです。

――第一夫人とボナさんとの間には4人のお子さんがいるというお話でしたが。

陽子 15歳、13歳、8歳、4歳の4人いるんですけど、全員置いて蒸発してしまったんです。今はボナのお母さんが一緒に住んでいるからどうにかなってますけども。

 さっきもお話ししたように、こっちの子どもは、特に一番上の子は小さいときから「お手伝いさん」みたいな感じで扱われることが多く、家のことは子どもであっても一通りできてしまうので、家が回らないという心配はないんですけど、メンタル面は心配です。

 

――第一夫人の方も、なにか抱えるものがあったのでしょうか。

陽子 「いつもボナがいない。甲斐性もない」とか、「お金がないから働きに行くわ」と言っていたらしいので、出稼ぎに行ったのかもしれませんが、誰も連絡が取れない状況で。

 大きい都市に憧れて村を出て行く若い人もいますが、それも女性ではなく、男性が圧倒的に多いです。

 国外に出る人はもっと稀で、本当にお金持ちの子がたまにいる程度で、それもやっぱり、男の子のケースしか聞いたことがないです。

 いくら不利な状況でも女の人が村を出ないのは、「女は家を守るのが当たり前」という文化、教えのもとで育ってきてしまっていることが大きいのかもしれません。

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