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上場企業の部長を辞めて、93万円の軽自動車で車中泊生活…30代の“ハイスぺ夫婦”が年収も地位も捨てて“車で暮らし始めた”ワケ

「カムラフウフと車中泊キャンプ」インタビュー #1

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ゆうた 働いていた会社がオーナー系企業だったんですけど、当時はそこのオーナー社長を超えたいと思いながら必死で仕事をしていました(笑)。

――オーナー系企業のオーナー社長を超えたいというのは、かなり志が高い。

りょうこ そういうところを「変わってるな」と感じましたね(笑)。

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ゆうた 社会人として仕事をしていくなかで、誰を目標にするか考えたときに、やっぱり組織の一番上にいる人を目指すべきだと思って。

 

責任ある立場で働くふたりが、仕事を辞める決断をしたワケ

――しかし、責任ある立場で働くふたりが、2021年10月に仕事を辞めて、同年12月からはパートナーとして軽自動車で日本一周を始めるんですよね。なぜその決断に至ったのですか?

ゆうた 僕はCFOとして、銀行との調整や資金調達などの仕事はできていたけど、自分で集客するスキルは持っていない、という葛藤を抱えていました。

 それに、オーナー社長を超えたいと思いながらも、同じ会社で会社員として働きながらでは無理だ、という限界も感じていて。だったら会社を辞めて、ゼロから何かを生み出してみたいと思ったんです。そうすれば身一つで会社を立ち上げた社長のことも理解できるし、自分に足りないスキルも身につけられるかなと。

りょうこ 私は、個人として大事にしたい仕事と、役員として取り組まなければいけない仕事にギャップを感じるようになっていました。グループ会社全体を成長させないといけないから、上層部からはもっと広い視野を持って仕事をするように言われていたけど、私はもっと細かい部分にリソースを割きたかった。会社の言っていることは理解できるんですけど、私は頑固だから、納得できなくて。

 徐々に自分の気持ちに嘘をつきながら働くのがしんどくなってしまったんですよね。そんな状態で働いてもいい仕事ができないから、それなら仕事を辞めて新しい挑戦をするのもいいかなと思って、退職を決めました。

 

車中泊をしながら日本一周を始めた理由

――仕事をしているとき、互いに仕事の愚痴を言い合ったりというのは?

ゆうた いや、そういうのはなかったです。お互いの「仕事を辞めたい」という気持ちを知ったのも、退職直前でした。僕が退職の意思を固めて相談したら、りょうちゃんが「実は私も……」という感じで。

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