りょうこ 岩手県の盛岡冷麺ですね。また現地に行って食べたいと思う料理でした。あとは、北海道のゆでトウモロコシとか、広島の牡蠣もめっちゃおいしかったな。
ゆうた 旅を始める前は、牡蠣とかホタテはあまり好きじゃなかったんですよ。でも、日本一周をしていくなかで、各地の新鮮な海鮮物を自分たちで焼いて食べてみたら、めちゃくちゃおいしいと思って、今では大好きになりました。
りょうこ あと、九州の鳥刺しもおいしかった。九州はスーパーでも売っているので、うらやましいなと思います。
「何百万円も払わないといけないのか」死に物狂いだった税金などの支払い
――食費も含めて、月の生活費はどれくらい?
ゆうた 月に15万くらいでした。食費は月6~7万とかですね。
――少し失礼な質問かもしれませんが、税金などは納めていたのですか。
ゆうた たまに「税金どうしているの?」と聞かれるんですが、皆さんと同じように、納付書を持ってきちんと払ってます。会社の役員を辞めた翌年は辛かったです。住民税も健康保険料も国民年金も、前年の所得が基準になるので、支払う額が本当に高くて。「何百万円も払わないといけないのか」と思いながら死に物狂いで払いました。
りょうこ あのときは辛かったよね(笑)。
途中で日本一周をやめたいと思ったことはない
――車中泊生活で怖い体験はしませんでしたか。
ゆうた 多摩の山奥の無人駐車場に行ったときに、ドリフト族に遭遇したことはありましたね。ドリフトの練習をしていたみたいなのですが、最初は何をやっているかわからなかったので、駐車場に車を停めてしまって。練習が終わるまで、2時間くらい身をひそめて待っていました。
りょうこ 悪い人たちじゃないんやろうけど、エンジン音とかが鳴り響くと怖いんですよね。
――日本一周や車中泊をやめたいと思ったことは?
ゆうた どこまでやるかを見極めていたところはありました。長く続けるのか、それとも、早く日本一周を達成させるのか、というのは自分たちでコントロール可能だったので。でも、僕もりょうちゃんも、途中で日本一周をやめたいと思ったことはないですね。
撮影=三宅史郎/文藝春秋