みなさまのお悩みに、脳科学者の中野信子さんがお答えする連載「あなたのお悩み、脳が解決できるかも?」。今回は、「会社での先輩の行動」という難題に、中野さんが脳科学の観点から回答します。(全3回の1回目。#2#3を読む)

中野信子さん ©文藝春秋

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Q いつも論点がズレる人とはどう会話をすればいいのでしょうか─39歳女性・会社員(自動車メーカー)からの相談

――職場の同僚の中にいつも話がかみ合わない、論点がズレる人がいます。イラッとするので話をするのを避けてきたのですが、中野さんと兼近大樹さんとの共著(『笑いのある世界に生まれたということ』)を読んで、それはその人のせいではなく、その人と私は違う“山”の住人だから話が通じなくても仕方がないのだと腑に落ちました。

 ただ私は管理職になり、その人が直属の部下になるため、話がかみ合わないでは済まされなくなってしまいました。論点がズレる人とは、どうしたら会話が成り立つようになるでしょうか。

 おっしゃることがとてもよく分かるように思います。というのも、私の場合はそれが自分の家庭内で起きていることで、ずっと見ないようにしてきたとはいえ、この先ずっとこのままでいいのかと悶々とする時も定期的にやってくるのです。

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 閑話休題。私の話ではなくあなたのお話でしたね。同僚の方とどのように話がかみ合わないのか、ご相談の文面から点と点をこちらで勝手につないで推測するしかなく、もしかしたら私の推測にズレを感じてイラッとされてしまうのではないかと若干緊張もします。そこで、いくつか話がかみ合わない、ズレる相手のパターンを提示し、それぞれの対処法を考えてみたいと思います。