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 過去の自分の失敗を思い出すに、こういった尖った設定は空中戦の後、あえなく爆散、という事態になりかねないからです。

 でも、決してそうはなりませんでした。

 読み終わった後に「我が事」として残るメッセージを受け取った感もあり、実に構成の美しい、地に足のついたエンタメだったと感動しました!

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 寝る前に軽く読もうかな、と思って手に取ったのに、気付けば一気に読み終わり、興奮のままこれを書いているのも朝の四時ですよ。今思えば、親のような心配なんて思い上がりも甚だしいですね。作家の顔なんか忘れて、ネタバレもなく、ただ話の先が気になって夢中で一冊読み終える体験をさせてもらったのですから、私は本当に幸せな読者です。

 人狼がお好きで、「自分は絶対に騙されないぞ」と自信のある方、同好の士としてお願いしますが、是非読んで感想を教えて欲しいです! 

 人狼は知らないなぁという方、はまるかどうかはあなた次第ですが、それでも「興味なかったのにドはまりしちゃった!」という方は絶対いると思うので、人狼も『なんで死体がスタジオに!?』も是非アタックしてみて下さい!

森バジルさんの松本清張賞受賞式で歴代の受賞者の皆さんと記念撮影

※森バジルさんの新刊『なんで死体がスタジオに!?』の発売日は2024年6月26日です


©阿部智里

阿部智里(あべ・ちさと) 1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞。17年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く著書「八咫烏シリーズ」は累計130万部を越える大ベストセラーに。松崎夏未氏が『烏に単は似合わない』をWEB&アプリ「コミックDAYS」(講談社)ほかで漫画連載。19年『発現』(NHK出版)刊行。「八咫烏シリーズ」最新刊『追憶の烏』発売中。

【公式Twitter】 https://twitter.com/yatagarasu_abc

なんで死体がスタジオに!?

なんで死体がスタジオに!?

森 バジル

文藝春秋

2024年6月26日 発売