1ページ目から読む
4/4ページ目

現場に行く時、遠足に行く子どものようにドキドキする

──監督との共同作業は、すでに13年も続いています。

クォン『3人のアンヌ』以後、2番目の作品となる『あなた自身とあなたのこと』(16年)まではだいぶ期間があきました。おそらく私が監督の撮影スタイルを十分に理解できなかったせいもあったのではないでしょうか。

©2022 JEONWONSA FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED.

 役者は通常シナリオを受けてから、キャラクターをどう演じるかやセリフを自分のものにすることに没頭し、計画を立てて撮影に応じます。だが、監督との撮影現場はそのようなやり方はまったく通用しないのです。

ADVERTISEMENT

 役者は命をかけて現場に臨むものだと思っていますが、私はそれが限りなく楽しみになっています。朝、現場に行く時、まるで遠足に出発する子どものようにドキドキするんです。「今日はまた何が起きるだろうか」と。

 監督の作品に出ることは、私には休息であり魔法のような時間なんです。

 

クォン・ヘヒョ 1965年韓国・ソウル生まれ。1990年に舞台で俳優として活動をスタート。1992年、イ・ジャンホ監督作『ミョンジャ・明子・ソーニャ』で映画デビュー。以降幅広く活躍し、『冬のソナタ』(02年)、『新感染半島 ファイナル・ステージ』(20年)など多くの話題作に出演している。
『WALK UP』は、ホン・サンス監督作品では『それから』(17年)以来の単独主演作となる。妻は俳優のチョ・ユニで本作でも共演している。

 

『WALK UP』
監督・脚本・製作・撮影・編集・音楽:ホン・サンス/出演:クォン・ヘヒョ、イ・へヨン、ソン・ソンミ、チョ・ユニ、パク・ミソ、シン・ソクホ/プロダクションマネージャー・スチール写真:キム・ミニ/2022年/韓国/97分/配給:ミモザフィルムズ/6月28日公開