日本でも多くのファンを抱える9人組ガールズグループKep1erが、まもなく7人体制で再出発する。元々2年6ヶ月の期間限定のプロジェクトユニットであったため、発表当時は7人の再契約とグループ存続に対する喜びの声と同時に、マシロとイェソの2名が去ることを嘆く声もあった。
約2年半駆け抜けてきた9人の姿、Kep1erというグループが歩んできた道とは、一体どのようなものだったのか? 活動の背景にあった事務所の“ある事情”、日本市場が与えた影響についても触れてみたい。(全2回の後編/はじめから読む)
IZ*ONE、Kep1er…オーディション番組発グループは、なぜ“解散前提”での活動だったのか?
「Kep1erが再契約、グループ存続へ」という発表があった時、これはなかなか異例なことだと驚いた。今までWanna One、X1(活動途中で解散)、I.o.I、IZ*ONEなどMnetのオーディション番組から出てきたグループは「期間限定」と謳う限り、どんなに人気があろうと、ファンダムからの存続要求があろうと解散してきた経緯があるからだ。Kep1erの場合、一部メンバーの卒業はあれど、グループ自体が存続するのは初めてのケースとなる。
「PRODUCE101」など韓国の著名オーディション番組は、なぜ“解散前提”でグループ活動をさせてきたのだろうか。その背景は芸能事務所側の事情と目論みにある。
オーディション番組に出る参加者はフリーのダンサーや歌手志望、大手事務所でデビューできなかった元練習生も珍しくないが、半数は「中小事務所の練習生」だ。惜しくもその会社のデビュー組には入れなかったケース、または事務所がグループを準備中であることも多い。
事務所が練習生の顔を売ることを目的に参加させている場合も
後者の場合、挑戦者はデビューの機会を求め、事務所は自社の練習生の顔を売ることを目的に参加させている。番組発のグループとしては一括してWAKEONE(CJ ENM系列)など放送局と資本関係のある事務所に所属させることになるが、個人として結んだ元の事務所との契約もそのまま残る。
グループの人気が出て、契約満了期間が迫れば、どの事務所も「そろそろウチの子を返してください」となるのは必然だろう。期間限定グループで顔が売れたメンバーを主軸に、自社で新しいグループを作って売り出すのがこれまでの鉄板ルートだ。