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〈K-POPでは“異例”のグループ存続へ〉日本人メンバーの存在もカギに…「Kep1er」が選んだ“勝ち残り戦略”とは

2024/07/14

genre : エンタメ, 芸能

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Kep1erが日本のファンに愛される理由とは

 そしてKep1erが存続する上で、忘れてはいけないのは日本のKep1ian(ケプリアン:ファンクラブ及びファンの名称)の存在だろう。Kep1erも日本市場を大事にしており、それは9人体制最後の場に横浜公演を選んだことからも垣間見える。今後韓国でのイベントが緊急発表される可能性もあるものの、一旦のラストステージを日本に決めたのは偶然ではないはずだ。

9人体制での活動終了を前に、新曲「Shooting Star」が韓国の音楽番組「ショーチャンピオン」で1位を獲得。涙を流すメンバーも ©時事通信社

 日本での快進撃はすでに韓国のデビュー曲「WA DA DA」のスマッシュヒットからスタートしている。日本のテレビ番組で披露した際はSNSでも「#ケプラー」がトレンド入り。日本における累計再生回数が1億回を突破し、日本レコード協会からプラチナ認定されるという偉業を成し遂げる。

 背景にはTikTokでの“バズり”も影響しているだろう。元IZ*ONEの本田仁美、元AKB48の板野友美、BE:FIRSTのRYUHEIら日本の著名人もダンスチャレンジに参加したことも援護射撃となった。その後2022年9月、正式にシングル盤「FLY-UP」で日本デビュー。その年の「第64回日本レコード大賞」特別賞を受賞し、ファンダムを幅広い年齢層へ拡大していった。そして今年5月に発売された日本の1stフルアルバム「Kep1going」は発売週のBillboard JAPANアルバムセールスランキングの1位に。

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音楽番組で共演したあいみょんと写真撮影も(Kep1erジャパンオフィシャルXより)
日本人メンバーのヒカル ©時事通信社

 さらにKep1erは日本の媒体への露出、イベントへの参加も積極的に行なっていたように思う。また日本のファンやスタッフとの関係性構築において、マシロ、ヒカルという日本人メンバーの存在は大きかっただろう。日本における積極的な活動と、それに応える日本のファン。相互の努力と想いがあったからこそ、今回Kep1er存続に繋がったのではないだろうか。

 K-POP史を見ても、メンバーの脱退を経験した後も活躍し続けるグループは数多ある。「9人全員残ってこそ」というファン心を理解しつつも、まずはKep1erの歴史がこれからも続いていくことを祝い、マシロとイェソの新しい挑戦を応援したい。

〈K-POPでは“異例”のグループ存続へ〉日本人メンバーの存在もカギに…「Kep1er」が選んだ“勝ち残り戦略”とは

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