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3種類の醤油でつくられた返しに使われている「卑弥呼のやまとしょうゆ」とは?

 店主は食材や出汁にこだわる。返しは3種類の醤油をブレンドして作っているのだが、その1つが江戸時代後期創業の熊本県山鹿市の卑弥呼のやまとしょうゆ。甘味の強い醤油だが、つゆにすると綺麗な「むらさきいろ」になるという。確かに「えんば」のつゆは赤味があって華やかである。みりんは愛知県碧南市の九重味淋株式会社製の「本みりん九重」を使用している。本場三河地方の味である。

3種類の醤油と本味醂でつくる本返し
熊本県山鹿市の「卑弥呼しょうゆ」と愛知県碧南市の「本みりん九重」

出汁は柔らかく、ふくよかな味わい

 返しと出汁のバランスは朝、昼、夕とすべて変えているそうだ。冷しとかけでは別の返しを作っている。とにかく細かいところまでこだわっている。

 パンチがある暗黒系のつゆとは違い、食べた後にまた食べたいという余韻を残すような味に仕上げたいと倉持店主はいう。魚粉を溶いて食べていく。バランスのよい一杯である。

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とりたての出汁はうまい
出汁と合わせて作ったつゆがきれいだ

冷し春菊天そばも追加注文

 あっという間に食べてしまった。どうしても冷しが食べたくなり「冷し春菊天そば」を追加注文した。返しも変えている冷たいつゆに興味が湧く。また2分程度で完成した。

 冷しのつゆをひとくち。今度は温かいつゆより返しがはっきり感じられ濃いめの味だ。やや甘味もある。酸味というよりは深みがある。つゆをみると少し濁りがある。倉持店主に聞くと、冷しのつゆにはある秘密の調味材を加えているそうで、スッキリした味を目指したとか。味噌でも米酢でもないという。これは気になる。

少しだけ濁りがある冷しのつゆ

 春菊天は厚みが5センチはある立体的揚げ具合、箸でほろほろと崩して食べていく。そばは冷しのつゆにとても良く合っている。そばの量も多く満足度の高い一杯であった。

「冷し春菊天そば」に柚子胡椒を追加
春菊天を横にすると5cmはある
別の訪問時にいただいた「エリンギ天と大葉天のそば」