〈あらすじ〉
1970年代半ば、韓国西海岸の漁村クンチョンでは、化学工場の廃棄物で海が汚染され、アワビが死滅するなどの被害が発生。収入を失ったジンスク(ヨム・ジョンア)率いる海女たちは、仕方なく海底から密輸品の箱を引き上げる仕事を請け負うが、沖合での作業中に税関に摘発され、刑務所送りに。ただ一人チュンジャ(キム・ヘス)だけが逃亡に成功した。
2年後、チュンジャはソウルから村に戻り、出所したジンスクたちに新たな儲け話を持ちかける。その計画には密輸王のクォン(チョ・インソン)、チンピラのドリ、税関のジャンチュンらの思惑が複雑に絡み合っていた。
〈解説〉
海底の金塊を巡るクライム・アクション・コメディ。『モガディシュ 脱出までの14日間』に続くリュ・スンワン監督作。129分。
-
中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆海女たちによる密輸品回収というのは新味だが、話の展開やディテールはスマートとは言えず。そこが評価の分かれ目?
-
芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆庖丁さばきや盛付けは粗いが、切り身の厚さで勝負する海鮮丼のようだ。新東宝や第二東映の、奇怪な娯楽作を思い出す。
-
斎藤綾子(作家)
★★★★★性的な映像はないのに日活ロマンポルノを思い出し、構図、音楽、女たちの化粧や衣装に魅了された。海の怖さも絶妙。
-
森直人(映画評論家)
★★★★☆70年代の韓国歌謡がディープに鳴り響く海女モノの再構築。尺は長めだが、昭和のプログラムピクチャー感がたまらん。
-
洞口依子(女優)
★★★★☆四方に漲る爽快感。密輸で海女モノでこうくるか! 関本郁夫や鈴木則文を想起、言語の壁を越えた面白さ。キム・ヘスに☆。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATIONアイコン
密輸 1970(韓国)
7月12日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
https://mitsuyu1970.jp/index.html