1ページ目から読む
3/3ページ目

――游姫さん自身が実生活で困ったことがあったんですか。

游姫 特にないですね。私の場合、腕など外から見える場所にタトゥーを入れていないんですよ。半袖を着てもタトゥーは見えないんです。だから実生活で、困ったことはなくて。

 プールはそもそも行かないですし、もし行くってなった時もラッシュガードを着れば入れる施設もあります。温泉も貸切にすれば全く問題ないので。一つあるとすれば、スーパー銭湯に行ってみたかったなってくらいですね。

ADVERTISEMENT

――例えば病院で何か言われることは?

游姫 ないですね。夏は乾燥肌になるので、皮膚科によく行くんですけど、先生から「色で赤くなっているのかもね」と言われるくらいで。タトゥーが入っているからといって、診察を断られることは全くないです。

 ネットとかでタトゥーが入っているとMRI検査を受けられないと書かれていたりするんですが、私は受けられました。主治医に相談したり、承諾書を書く必要もあるようですが、全く受けられないわけではないみたいです。保険も会社によって対応は違うようですが、入れるところもあります。ただ、タトゥーを入れた部分の脱毛はできないです。

©︎文藝春秋

「誰かに見せたくて彫っているわけではない」

――友達やご家族の反応はいかがでしたか。

游姫 親は「何がしたいの?」「何になりたいの?」っていう感じでしたね。私よりもたくさんのタトゥーが入っている友達がいるんですけど、「なんでわざと見えない格好をしているの?」って言われます。露出をしてタトゥーを見せる子が多いと思うんですけど、私の場合は、誰かに見せたくて彫っているわけではないので。自分の着たい服を着ています。

 趣味が美術館巡りなんですが、先ほども言ったように、「絵を買った」という感覚なんです。誰かのタトゥーを見る時も、絵としての評価をしています。色が綺麗、線が美しいとか。

 だから露出をしたいわけでも誰かに見てもらいたいわけでもないんです。買った絵を自分で鑑賞したいだけなので。残念ながら背中の絵は普段見えないので、鏡で見ていますが(笑)。

――パートナーに何か言われたことはありますか。

游姫 絵がすごい綺麗だねとか、ずっと鑑賞していたいって言われましたね。好意的な方がほとんどです。

©︎文藝春秋

写真=橋本篤/文藝春秋